「1票の格差」最多埼玉と最少福井で3倍超に

違憲とし、選挙無効求める動きも

前回選挙に比べると格差は縮小したが…(撮影:梅谷秀司)

抜本的な選挙制度の見直しを求める声

今回の参院選で、福井選挙区は議員1人当たりの有権者数が全国で最も少なく、最多の埼玉選挙区との「1票の格差」は3倍超と最大格差になっている。人口の少ない隣接選挙区を統合する「合区」など選挙区定数の「10増10減」により、前回選挙に比べて格差は縮小したが、東京の弁護士グループは違憲だとして選挙無効を求めて11日に提訴した。福井県関係者からは「3年後は福井が合区対象になる」との懸念や反対論が出ており、抜本的な選挙制度の見直しを求める声が強まっている。

総務省が公示に合わせて公表した6月21日時点の選挙人名簿登録者数に基づく試算で、議員1人当たりの有権者数が最も少ないのは福井選挙区の32万9506人。最多は埼玉選挙区の101万4713人で、福井との格差は3・08倍だった。投票当日の有権者数を基にした1票の格差も3倍を超えるとみられ、選挙無効訴訟が提訴されれば、この最大格差が違憲かどうかを司法で判断する。

2013年参院選の最大格差は4・77倍。最高裁が違憲状態と判断し、参院は昨年の選挙制度改革で「鳥取・島根」「徳島・高知」の2合区を含む選挙区定数「10増10減」を実施した。10年の国勢調査を基にした試算で2・97倍に抑えられるとしていたが結局、自民党などが「憲法の許容範囲」とした格差3倍未満は超える形になった。

昨年7月に成立した改正公選法の付則で、19年参院選に向けた抜本改革に関し「必ず結論を得る」と明記した。自民は今回の参院選公約で「都道府県から少なくとも1人が選出されることを前提として、憲法改正を含め在り方を検討する」と掲げている。

福井選挙区の自民現職、山崎正昭候補は参院議長として選挙制度改革に当たってきた。「大変苦労した」と振り返りつつ「合区は心から賛成できず、鳥取・島根などの有権者に申し訳ないと思っている。合区に終止符を打ち、都道府県単位で議員1人は出すべきだ」と主張している。

民進党は本部が合区に賛成しているが、福井県連の山本正雄代表は反対の立場を取る。「大都市だけ議員が増え、地方の声が届かなくなる」とし、米国の上院は各州定数2人と憲法で明記されていることを挙げ「参院も同様のシステムにするべきだ」と訴える。

共産党県委員会の南秀一委員長は「1票が平等に議席につながる比例代表制中心の選挙制度にすべきだ」と強調。自民の憲法改正を含めた検討については「前提としている選挙区制そのものが1票の格差を広げる」と批判する。

「1人1票裁判」に取り組む升永英俊弁護士(東京)は「主権者の国民の多数意見で国会議員を選び、国会の議事を多数決で決めるため、国民の投票価値は平等であることが憲法で定められている。格差が2倍だろうが3倍だろうが憲法違反であり、『1票の住所差別』だ」と指摘。今回の参院選の選挙無効を求め提訴する考えだ。

 

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