ファミマが繰り出した「夜間の品揃え」改善策 ユニーとの9月統合を控え、FC契約を変更

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中でもファミマが苦戦しているのが夕方から夜にかけての時間帯だ。同社の加盟店の場合、昼間に比べ夜間の客数が減ることから、加盟店は廃棄ロスを避けるために、商品の発注数を絞る傾向にあった。

加盟店の廃棄ロスの一部を本部が負担することで、夜間でも多くの商品が並んでいるセブン-イレブン

他方、セブンは水道光熱費や廃棄ロスの本部負担にいち早く取り組んできた。このことにより、夜間でも多くの商品を店舗に並べる加盟店が多かった。それが他チェーンとの差につながっている。

こうした加盟店支援の取り組みをファミマも強化することによって、セブンとの差を縮めたいというのが、今回のFCプラン変更の狙いなのだ。

ファミマの大きな賭け

ただ、本部の負担を増やすことは、ファミマにとって大きな賭けともいえる。加盟店が本部に支払うロイヤルティが一定額増えるとはいえ、加盟店の売り上げが思うように伸びなければ、本部の負担だけが増え、収益性が低下することになりかねない。

2年半で行う予定の看板替えを「1年半でやれ」と檄を飛ばすファミマの上田会長(撮影:梅谷秀司)

サークルKサンクスの看板替えは今年9月から約2年半をかけて完了する予定だ。

しかし、新統合会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」の社長に就任するファミマの上田準二会長は「1年半でやれ」と社員たちに檄を飛ばしている。

新FCプランの導入とともに、日販のプラス幅を拡大できるかが、統合会社の行く末を左右することになる。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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