日本オラクル、提案力武器に連続最高益 遠藤隆雄社長に聞く

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だから、ITの世界も実は融合することが、これからの差別化につながる。いい例がエンジニアド・システムで、あれはソフトウェアとハードウェアを融合した結果、とんでもない製品に生まれ変わった。エクサデータをはじめとするエンジニアド・システムでは引き続きシェアを取っていく。

非効率がまだ多い公共部門は“宝の山"

――今後、中長期で狙いたい分野はどこか。

ITは社会を便利にするツールだと遠藤社長

新しい国づくりに貢献できる会社になりたい。それができる会社だと思っている。国そのもののイノベーションの役にも立てるし、ナショナルID(国民総背番号制)が自民党政権で具体化していけば、それを中心とした医療の改革、教育の改革、住民サービスの改革。すでにグローバルでやっているので、それを取り入れてご提案したいと思う。

公共部門には非効率が多く、宝の山といえる。医療なんかは最たる例だ。たとえば旅行先で現地の病院に心臓病などでかつぎこまれた場合、一から診断というのはありえないだろう。でも、カルテは病院ごとにしかなく、共有化されていない。

引越しもそう。銀行の口座を変えたり、子供の転校手続きをしたりとか面倒くさい。それが一発でできる。住民票だけ変えれば、あとはずらずらと変わる。年金もそうだし、警察への届出もそうだ。

ITを活用すれば、犯罪も減る。健康で安全で文化的な生活が実現できる。地域間格差も是正できると思う。それが公共部門に注目している理由だ。
   

(撮影:尾形文繁)

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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