アップルの“成長神話"は崩壊したのか 日本では絶好調も、伸び鈍化で株価さらに急落

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アップルは地域別の売り上げを公表している。今回の決算からはアジア・パシフィック(AP)からグレーターチャイナ(中国、香港、台湾)を分離。北米、欧州、グレーターチャイナ、日本、残りのAP、アップルストアでの直販売り上げという6セグメントで公表している。

過去からの推移をみるために、グレーターチャイナを残りのAPと合算し、5セグメントで直近3年の四半期推移をみると右のグラフのようになる。

日本では倍増

5セグメントの前年同期比伸び率は以下のとおりだ。

北米   14.8%増

欧州    8.8%増

日本   92.4%増

AP    40.6%増

直販    5.3%増

最大市場の北米では2ケタ増を維持しているものの、欧州では1ケタ成長に転落。直販に至っては店舗増が続いているにもかかわらず5.3%増という冴えない数字だ。

それに対し、好調なのがAPと日本。特に、日本の12年10~12月の売り上げは68億3000万ドルと、昨年同期の35億5000万ドルと比べて倍増している。「為替レートの影響ではないか」と思うかもしれないが、そうではない。2012年12月の平均為替レートはおよそ85円。11年の同時期は1ドル80円を切っていたため、むしろ円安方向になっており、現地通貨ベース(つまり円ベース)では、もっと売り上げの伸び率は高かったのである。

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