わが子を英語ができるように育てるには(下) 大学入試と英語習得を両立させる方法

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高校3年生までに英検準1級レベルを

大学の入試問題は個別の大学がバラバラに作っているため、レベルや方針が合致していません。高校生のときに、ある程度統一性があり、クオリティの高い試験を目標にすることも大切です。

米国の有名大学に入りたいという超エリートであれば、TOEFL試験の高得点を目指せばいいでしょう。ですが、一般の高校生が目標にする試験としてTOEFLは難しすぎます。そこで私がお勧めするのが英検準1級(クリアできれば1級)へのチャレンジです。準1級では難しく、2級を目指す場合は、単なる合格ではなく高得点を目指してください。2級までは、合格点がかなり低く設定されているので、9割とれて本当の合格だと考えた方がよいです。

英検は「合否型の試験で、スコアでの伸びが測れない」という問題点はあるものの、4技能を含む試験(2級は3技能)で、平均的な大学の入学試験に比べると、はるかにクオリティが高いものです。問題の作成はテスト作成のプロによって行われています。読解のレベルや語彙も日本の大学入試との親和性が高く、ムダがありません。

目安としては、高校3年生の2学期までに合格を目指したいものです。また、難関大学の推薦などでは準1級を持っていると優遇されることもあるので、活用するのもいいでしょう。

大学入学時点ではスピーキング力はゼロスタート

さて、いよいよ大学に入学してからのお話です。上記の方法で、高校時代に家庭でRとLを鍛えておけば、大学に入るまでに、RとLの基盤がある程度出来上がります。ですから、大学ではSWを伸ばす事を重視しましょう。

正直に言ってしまうと、今の日本の英語の教育システムの中では、大学に入るまでにしゃべれるようになるのは、非常に困難です。入試問題でSの技能がまったく試されない現在、難関大学への合格に向けて勉強する過程では、やむを得えないことです。

またWについては受験でも多少は出ますから、英文の暗唱などを通じて、ある程度は鍛えておくことが可能です。しかし、スラスラ書けるようなレベルに達するのは難しいでしょう。

ですからSW(特にS)に関しては、大学に入ってからみっちり鍛えるという考え方が最も現実的だと思います。大学在学中の数年間で集中的にやっていくわけです。これが日本の大学入試とうまく付き合いながら、本当の英語力をつけていく最も現実的な選択だと思います。

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