「やんちゃ坊主に悩む親」に教えたい発想転換 男の子は、育てにくい子ほど良く伸びる!

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【ポジ変テク1】わがまま→話のわかる男になる

公園で「もっとあそびたい」と言ったって、永遠に遊び続けたいわけじゃないんです。「今すぐにやめるのは悲しい」という意味です。でも、うまい言い方がわからないので、「イヤだ!」になってしまうだけです。

そんなときは、「じゃ、あと5分ね」などと言って、可能な範囲で気持ちを受けとめてあげましょう。そうすれば、「うん、わかった」と言ってくれることも少なくないと思います。子どもも本当はあと30分くらい遊びたいと思っているのかもしれません。でも、「5分でもいいか」と思って子どもなりに妥協してくれているのかもしれません。

親は「勝つか負けるか」「ゼロか百か」みたいに考えてしまいがちですが、子どもは「譲れるところまで譲ってよ」と思っているだけなんです。「ボクの気持ちを少しでもわかってほしい。1割でもいいから望みをかなえてほしい」と思っているのです。

「ママは譲れるところまで譲ってくれる人だ」という信頼があればこそ、そのママが、「今日は本当に無理なの! 言うことを聞いて」と真剣な顔で迫ってくれば、「今日は本当に無理なんだな」とあきらめられるというものです。

だから、「わがまま」を言われたとき、仮に1割も実現してあげられなくたって、親が最後まで気持ちを聴いてあげることができれば、それだけで子どもの心は90%くらい満たされたりします。

そうやって、受けとめてもらえることのうれしさを知っている子どもは、他人の気持ちを受けとめることも上手になります。杓子定規にルールをあてはめ、すぐに「ダメ」というお役人さんのような人にはなってほしくないですよね。だったら、まず、親がお手本を見せてあげられるといいですよね。

子どもは損益分岐点を見極める練習をしている

【ポジ変テク2】がんこ→ブレない男になる

「ボクは絶対に最後までやるんだ!」とか、「納得のいかないことには断じて首を縦に振らないぞ!」とか、カッコいいじゃないですか。

でも、それがママの利害とぶつかり合うと、あれれ?「がんこな子」というレッテルに早変わり。ママが望ましいと思う行動に対してがんこさが発揮されれば大喜び。好ましくないと思う行動に対してがんこさが発揮されれば、叱責やぼやきに変わる。正直言って、身勝手なのはママのほうですね……。

「がんこ」な態度をとることで、子どもは「がんこ」の損益分岐点を見極める練習をしています。ある程度、意地を張ってがんばらないとなにごとも成し遂げられないけれど、あんまり意地を張りすぎると周りを嫌な気持ちにさせちゃったり、結局自分も嫌な気持ちになっちゃったりするということを、体験的に学ぼうとしているのです。

「がんこ」の損益分岐点の見極めがうまい人は、決して譲れないところでは譲りませんが、譲ってもいいかと思えるところではすんなり譲ることができます。そういう人はただの「がんこ者」ではなく、「軸がブレない人」と言われ、賞賛されます。幼いころの「がんこ」さはそのための訓練です。

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