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中国自動車市場で求められる「イノベーション」 周 磊 デロイト トーマツ コンサルティング シニアマネジャー

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周 磊(しゅう・らい)
デロイト トーマツ コンサルティング シニアマネジャー
博士(経済学)。自動車/製造業を中心に、日本国内プロジェクトのみならず、中国、インド、欧米など、諸外国を対象とした多数のプロジェクトに参画。事業・技術戦略、ビジネスモデル構築、市場参入シナリオ・ロードマップ策定などの上流工程から、具体的な経営管理体制構築の下流工程まで、一貫したコンサルティングプロジェクトの経験を保有。主な著書に『中国次世代自動車市場への参入戦略―現地発イノベーションの最前線』(日経BP社)、『中日・日中 会計・税務・投資用語辞典〈第2版〉』(共著、中央経済社)、『図解 次世代自動車ビジネス早わかり』(共著、中経出版)などがある。その他寄稿、講演多数。

「自動車大国」から「自動車強国」への変革をめざす中国

2011年の中国の自動車生産台数は1842万台、販売台数は1851万台と、いずれも世界一となっているi)。しかし、生産・販売台数で世界一の座を維持することは中国の究極の目的ではない。

中国は世界一の生産・市場規模を誇る「自動車大国」から「自動車強国」への変革を進めている。「自動車強国」とは、①コア技術と基盤技術に精通し、イノベーション能力を有する状態、②産業集中度が高く、かつ関連企業が競争力の高い企業体質を築き、グローバル大手完成車メーカーと比肩する状態、③グローバルの自動車市場において、プレゼンスを有する状態の3つを満たすことが条件だと一般的に認識されている。

中国の「自動車強国」をめざす動きは、より大きな中国の産業全体の構造改革の1つと位置づけることができる。中国では製造業において、低賃金でコスト競争力がある「工業大国」から高い研究開発能力もあわせ持ち、持続成長が可能な「工業強国」をめざし改革が進められている。

この構造改革を進めるなかで、中国発「イノベーション」が起きつつある。イノベーションは、単に新しい技術や仕組みを生み出すだけでなく、消費者にとっての価値を創出し、受け入れられて初めてそう呼ぶことができる。構造改革の実現には、技術に加え、ビジネスや商習慣でのイノベーションが必要となる。国内資本系メーカーだけでなく、現在、中国を一大生産拠点として活用している外資系メーカーも、この構造改革においてイノベーションの一員になりつつある。

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