バングラ襲撃でISテロは「新段階」へ突入した

予想以上に厄介で危険な存在になっている

「国内武装集団と国際テロ組織との関係をこのまま否定し続けていては、今後の役に立たない」と南アジア政治の専門家であるイリノイ州立大学のアリ・リアズ教授(政治学)は指摘。「われわれが目撃した集団が寄せ集めではなく、非常に組織的な攻撃なのは明白だ」と述べている。

バングラデシュの捜査員は、生き残った人質に事情聴取をした。近くの診療所で働いていたインド人のサット・プラカシュ医師は、軍の突入の直前に脱出した。同氏は電話取材に対し、恐ろしくて眠れぬ一晩を過ごし疲れ切っていたのに、開放直後は何度も質問に答えるよう強制されたと説明。「ひと晩を過ごした後に、あんなに長く拘束されるなんて信じられなかった」と語った。テロ攻撃の間に起きたことについては、言及を避けた。

アルカイダよりもはるかに高度な存在に

欧米の諜報機関関係者は、ISが現在、厄介で危険な変容を遂げていると認識している。宗教国家の創設を明言して突然出現したテロ集団が、アルカイダよりもさらに大きくて高度な存在になりつつある。

武装集団がレストランに入った1日午後8時45分、そこでは約20人の外国人が食事中だった、と調理担当者のスモン・レーザ氏は報道陣に語った。襲撃犯は「神は偉大なり」と叫んだ後、発砲や爆破を行ったという。

他の従業員数人と共に小さな手洗いに避難した料理人のスミール・バライ氏(28)によると、ベンガル語を話す男が2人現れてドアを開けさせて従業員を集め、祈ることとコーランを読むことの大切さを説いた。1人は銃を、もう1人はナイフを持っていたという。

その後、従業員を手洗いに戻し、軍による突入の直前に、外に出るのを許した。武装集団の1人は床の上の遺体を指さして「同じことがわれわれにも起ころうとしている」と語った。武装集団は自分たちの死を確信していたのだ、バライ氏は述べた。

イスラム教国であるバングラデシュでは2013年以来、イスラム武装勢力による攻撃で、少なくとも40人が死亡している。たいていはマチェーテ(なた)で殺害された。最初に標的にされたのは無神論者のブロガーで、宗教的少数派、ゲイの活動家、外国人らが続いた。

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