地方の大学が「東京駅周辺」に集結するワケ 就活支援を強化して就職実績の向上が狙い

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2015年度の利用者は延べ2528人。関学の2015年3月の卒業生は5506人だったので、約半数の学生が利用したことになる。2016年5月は利用者が571人と初めて単月で500人を上回った。

同じ10階には九州の西南学院大学の東京オフィスが入居している。同オフィスのオープンは2013年1月だが、ここに入居を決めた理由は東京駅に隣接しているという抜群の利便性だ。また、先に入居していた大学関係者と情報交換できるのも魅力だったという。

フリースペースにはOAテーブルとして使える会議テーブルや丸テーブルが配置され、パソコンは7台用意されている。関西学院のようにスカイプによる本部キャリアセンター職員との面談はできないが、東京オフィス専属のカウンセラーがいる。

オープン時間は就活ピーク時でも9時30分。西南学院の学生は夜行バスではなく、成田着のLCC(格安航空)で上京することが多い。早朝に成田についてそこからバスで同オフィスにやってくるのに合わせて、この時間に開館しているという。年間300人強の学生が就活で利用している。

近畿大学は東京駅八重洲口に拠点

一方、JR東京駅八重洲中央口を出て外堀通りを渡ると、ビルの13階に近畿大学東京センターがある。東京に慣れない学生でも簡単にアクセスできる便利な場所だ。八重洲地下街を経由しても簡単に行くことができる。

同センターは近大生の首都圏での就活支援などを目的として、2014年4月に開設された。東京駅を見下ろし、皇居まで見渡すことができる絶好のロケーションだ。スタッフは7人いるが、そのうち2名はキャリアセンター勤務の経験があるし、残りの5名もESの書き方や面接の指導ができる。

明るい雰囲気のラウンジには就活関連の書籍や一般紙、経済誌が用意されていてキャリアセンターのような雰囲気だ。ここでは、学生、OB・OG、教職員が自由に交流できる。窓側はWi-Fi完備のPCスペースとなっていて、東京駅を一望しなから情報収集や資料作成をすることが可能だ。

セミナールームは扉付き個室なので、カウンセリングだけでなく、面接練習にも利用されている。面接時のノックや入室の仕方、受け答えなどを職員が指導している。ここまで本部のキャリアセンターと遜色ない活動を行っている大学は少ない。

地方大学の東京拠点に更衣室があるのは珍しくないが、同センターには仮眠室まで設置されている。夜行バスで早朝に東京に到着した学生が仮眠したり、説明会や面接から同センターに戻ってきた学生が休息を取ったりするのに利用されている。

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