LINEフォン、打診はあるが今はできない ユーザー1億人突破!キーパーソンが語る裏側【第2回】

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――サービス当初は電話帳を勝手にアップロードされてしまうということがありました。それも数カ月で変えましたが、ユーザーの声を大事にしていると。

非常に大事にしています。われわれが、一番最初にモノを作るときはトップダウンなんです。「こういうサービスが今の世の中に必要だ」「こう変えたいんだ」っていう思いを込めてプロダクトを出すんですね。

ただその後はボトムアップですね。ユーザーの皆さんの声を聞きながらチューニングしていく。毎朝毎朝、すごい量のモニタリングレポートが出るんですね。例えばtwitterでつぶやかれているLINE関連、Facebook関連、ブログ関連、世界中からたくさん来る問い合わせ、レビューサイト、メディアの記事など、全部です。

毎日毎日、基本的に全社員にそれが配信されて、その中から担当者をピックアップして、プライオリティー(優先順位)をつける。「今日何ができる」「午前中までに何ができる」とか、それぐらいのスピード感で判断する。ユーザーの声を元にプライオリティーを昨日と変えることもあります。

出会い系の対応策

――LINEが未成年の出会い系などに悪用されるケースもあったようですが。

安全・安心には実はすごく気を遣ってきました。LINEのコンセプトからいえば、電話帳でマッチングするのが、コンセプトとして一番近い。ただ、それが増えてくると、「友達も使っているから自分も使いたい」「自分は電話帳のマッチングやりたくない」という両方のニーズが出てくるんですね。「じゃあ違う選択肢を採ろうよ」とかですね。

「電話番号認証はしたくない」ということであれば、facebook認証を用意する。何でもかんでも用意するわけではなくて、プロダクトのコンセプトの外に出ない範囲で、いろんな試行錯誤と知恵を絞りながら、「じゃあここまではいけるんじゃないか」ということをやらせていただいています。例えば規約の部分とか、プライバシーポリシーの部分とかも、どんどんアップデートをさせていただいて。

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