LINEフォン、打診はあるが今はできない ユーザー1億人突破!キーパーソンが語る裏側【第2回】

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――LINEは「日本発」をどれぐらい意識しているんでしょう?

中の人間たちはすごく意識しています。日本で培ったもの、経験したものというのがたくさんありますから。

われわれの社内にいるメンバーというのは、日本のインターネットを「3周目」とよく言っています。PCが1周目、フィーチャーフォンが2周目、そしてスマートフォンが3周目。そこを経験してきたメンバーなので、その中でどういう類似性があるのかとか、みたいなものを当然わかっていますし。そういった経験の上でいろんな判断をして、いろんな技術を使っていますね。

あとは日本人だけでやっていません。フランス、米国、中国、韓国など、いろんな国のメンバーが集まって作っていますから、そこのハイブリッド感っていうのもわれわれのパワーの源でもありますね。

意思決定が早い理由

――日本企業はあまりスピード感がないと言われますが、NHN Japanは異様にスピード感があるのはなぜ?

早くしないと芽が出ないと思うからですね。意思決定や開発を早くしなければリスクだと思っているのがいちばんです。すべてはそこです。やはり、タイミングを逃すと、われわれみたいな何もない会社っていうのは、勝負ができなくなってしまう。世界、ユーザー、競合が流れている中で、瞬間、瞬間で何をするかというのを決めて実行しなければいけない。決めて実行できるのが、一番リスクがないんですね。

例えば大きなPDCA(plan-do-check-acution)を回そうと思っても、Pを回しているその瞬間がどんどん大きくなると回らない。あとは世界が変わってしまう。変わってしまったら、回せても『もう違うよね』となる。われわれがプロダクトを開発する時にルールとしているのは、小さく開発して早く出すこと。それをユーザーに使ってもらって、レスポンスを得る。その中で小さく、高速回転でPDCAサイクルを回す。それをずっとやり続けてきたのが、この1年半ですね。

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