ソニーのスマホ、どう巻き返す? 就任から10カ月目。平井一夫社長を直撃

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まずはシェア3位を固める

――スマホではシェアトップを目指しているのか。

現実を直視している。いまメジャーな地域でシェア3位となっているが、1位、2位と比べるとシェアは非常に小さい。まずはこの3位というものを確実なものにしていく。2位のところでは、2位を固めていくようにしたい。

――アンドロイドスマホでソニーらしさは出せるのか。イメージセンサーは外販もしているため差異化は難しいのではないか。

イメージセンサーについては最新のイメージセンサーを、まずはソニーモバイルの製品に搭載する。これは単純に供給するのではなく、一緒に薄型化に取り組み、よりコンパクトなフォームファクターにしていくという取り組みをしているので単なる外販とはレベルが違うと認識している。

画質についても、ソニーにはブラビアエンジンなどがあり、やはり違う。音へのこだわりもある。ソニーが持っているさまざまな技術、ノウハウを凝縮することによって、アンドロイドというOSの中でも、ソニーのエクスペリアは差異化できると考えている。

――サムスン電子はアンドロイド、ウィンドウズフォンに加えて、第3のOSとしてティゼンの採用を明らかにしている。ソニーならではの強みということではプレイステーションOSを採用し、プレイステーションのゲームをすべてできるようにするべきでは?

プレイステーションOSはソニーの大切な資産。プレイステーションのOSを使うことで魅力的なプラスアルファを考えてもいいと考えている。今までとは違って、ソニー・コンピュータエンタテインメントも含めていろいろなことを検討している。現在はアンドロイドOSだけになっているが、それは市場の状況がそうなっているから。市場の状況に応じて他のOSについても検討をしていく。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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