「ウォッカ」の真実をどれだけ知っていますか 知っておきたい薀蓄100章

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お酒にのまれるのではなく、おいしく頂きましょう(写真:tycoon / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマはウオツカ。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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01. 「ウオツカ」とは、ロシアやポーランドを中心に、欧州や北米、カナダなどで製造されている蒸留酒のこと

02. 大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシなどの穀物を原材料とし糖化・発酵させ蒸留後にろ過する

03. ろ過には主に白樺炭が使用されるが、白樺炭から味わい成分が溶け出しアルコールと水の結合を促進する

04. それがまろやかさを生み、エタノール成分を除けばほぼ無味無臭無色。日本の酒税法ではスピリッツに分類

05. 「VODKA(ウオツカ)」とはスラブ語において〈水〉という単語につく指小辞で「少量の(水)」と解釈

06. しかし、ウオツカの誕生には諸説あり、ロシアとポーランドは共に〈自国こそ発祥地〉と公言して譲らない

07. ロシアでの起源のひとつとされるのは、12世紀頃にロシアで飲まれていた地酒をベースにしたという説

08. また中世、キエフ大公国の時代に飲まれていた果実酒がウオツカの元になったという説もある

09. 1386年にイタリア・ジェノアの大使によってブドウ原料の「命の水」と呼ばれる蒸留酒が欧州に伝播する

古くから命の水として愛されて

10. 英国やアイルランドに伝わった命の水はのちに「ウィスキー」となり、フランスでは「ブランデー」に発展

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11. ロシアでは15世紀半ばにライ麦を原料とした「ズッズネーニャ・ヴァダ」という酒になった

12. この「ヴァダ」もウオツカの語源のひとつと考えられ、16世紀、イワン雷帝の頃にはウオツカと呼ばれ始めた

13. 17~18世紀のロシア・ウオツカは主にライ麦で作られていたが、その後、ジャガイモやトウモロコシが伝来

14. 1810年にはサンクトペテルブルグの薬剤師アンドレイ・アルバーノフが白樺の活性炭でろ過する製法を開発

15. 活性炭ろ過によってウオツカは「クセの少ない酒」という個性を確立し、西欧でも評価されるようになる

16. 19世紀後半には連続式蒸留機が導入され今日のようなニュートラルでスッキリした味わいの酒種となった

17. 現在のロシア・ウオツカは澄み切った味のものから、香草で香り付けしたものまで多彩だ

18. ロシア産のなかでも「三大ウオツカ」に挙げられるのが、ロシア語で〈首都の〉を意味する「ストリチナヤ」

19. 1901年にモスクワで製造が始められたことに由来し、現在はロシア各地やラトビアの工場で生産されている

20. ストリチナヤは生粋のロシア・ウオツカだが、口当たりはきわめてソフトでデリケートな香味が特長

次ページロシア三大ウオツカ、続きます
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