結婚とスイカは割ってみないとわからない 割ってダメだったら躊躇せず離婚しよう

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今日のエピソードはちょっとあなたに参考になるかどうかわかりません。私の友人の眞子さんの話です。眞子さんは結婚当初から夫から何度も「本当は彼は近所の恵子さんと結婚する予定だった」と聞かされてきました。

恵子さんと結婚しなかった理由はいつもぼかされていたものの、恵子さんはアンラッキーで眞子さんはとてもラッキーだという言い草だったそうです。眞子さんも当時はそう信じていました。

結婚とスイカは割ってみないとわからない

結婚とスイカは割ってみないとわからないそうですが、その数十年後の眞子さんの回想です。眞子さんの夫はとても有能で羽振りも良く、誰からも信頼された人だったそうです。一度事業につまづいた時、眞子さんはテキパキと資金繰りに走り、その後は積極的に事業の手伝いもしました。眞子さんの夫から見れば眞子さんさえいれば、事業も家庭も自分がいなくてもうまく回ることが判明したのです。

本当に彼が有能な人だったならこんなことで自分の人生を棒に振らず、眞子さんの有能さや信用も味方につけてますます豊かな人生を目指したはずでしょう。ですがそうはならず、彼はその後、堕落の道を急転直下のごとく落ちて行ったそうです。

それで眞子さんが悔いを込めて話したのです。眞子さんの夫と結婚寸前までの関係だった恵子さんは病弱で難病も抱えており病院通いが欠かせません。とてもおっとりしていて、やはりおっとりした恵子さんの夫に連れられてしか病院にも行きません。つつましいながらもとても夫婦仲良く暮らしているそうです。

歴史や人生に、「もし、たら」はありませんが、それでも眞子さんは言います。

「もし自分の夫が恵子さんと結婚していたら、最初の倒産の危機の時も恵子さんならおっとりと構え、倒産したとしてもその後の生活にもおっとりと夫に従っただけだろう。まして難病持ちの妻とその子どもを抱えたなら男として、職も家庭も顧みず、遊び呆ける人間になるのはなかなか難しいはず。自分が健康で事業も家庭も一人で引き受けられる人間だったことが、彼から踏ん張りどころで踏ん張る力をつけるチャンスを奪ってしまった。今では彼が言うように私が恵子さんよりラッキーだったとは思わないが、自分のせいで彼がいちばんアンラッキーだったかもしれない」と。

彼を今のように無責任で厚かましい人間にしたのは、あなたが健康で、長年に渡り機嫌よく彼を養ってきたせいだとは決して申しておりませんので、誤解のないように願います。

次ページ妻の常識的な要望を聞けない夫にどう対応する?
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