遠藤保仁に学ぶ、上司の指示を無視する方法 どうすればサラッと自己主張できるのか

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中田英寿へのコメント

04年に発売された雑誌『フットボールスピリッツ vol.2』のインタビューに、遠藤らしいコメントが掲載されている。中心選手の中田英寿がチームメートに厳しく要求することについて、遠藤はこう語った。

「俺は指示されても無視してるもん、基本的に。自分が思ったことをするし、でもそれがチームのためにマイナスやったら修正する。でも、マイナスになるようなことをしていないと思ったら、言われても俺は、『これで大丈夫だ』と思ってプレーする。ヒデさんの言うことには聞く耳を持たないといけないと思う。けど、言われるままそれだけやるんやったら監督はヒデさんになった方が良いと思うからね」

遠藤は監督(もしくはリーダー)からの指示を尊重しつつ、それでいながらピッチでは自分の直感を大切にする。型にもはまらないし、わがままにもなりすぎない。だからこそ、22歳のときからずっと日本代表に選ばれ続けているのだろう。

遠藤は「約束事も大事だけど、3分の2は選手の自由」と言う。白黒はっきりつけず、うまく“ほどほどに”というグレーゾーンを設けることで、自分の主張をさらっと実現しているのだ。

木崎 伸也 スポーツライター

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きざき しんや / Shinya Kizaki

1975年東京都生まれ。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。2002年夏にオランダに移住し、翌年からドイツを拠点に活動。高原直泰や稲本潤一などの日本人選手を中心に、欧州サッカーを取材した。2009年2月に日本に帰国し、『Number』『週刊東洋経済』『週刊サッカーダイジェスト』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。おもな著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『クライフ哲学ノススメ 試合の流れを読む14の鉄則』(サッカー小僧新書)など。

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