ソフトバンク“汐留の母”の、超時間術 ド迫力の「ワーク・ワーク・バランス」人生

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小

これだけの人数が集まれば、緊張で具合が悪くなる人、泣いちゃう子が出てくるなど、毎日何らかの問題が起きます。当時は、毎日、レシーバーを付け、研修クラスを慌ただしく回りながら、トラブルシューティングに当たっていました」

2000人の一斉新人研修は無事に終了。その後の配属までキッチリ見届け、社長肝いりのプロジェクトは見事、成功に終わった。この仕事で得たものは大きかった。気がつけば、各部署に配置された2000人の新入社員から慕われ、「汐留の母」と呼ばれる存在になっていたのだ。

横浜市長に、理路整然と直訴

私生活では00年、前の会社の2年先輩のエンジニアと結婚していたが、子どもを作るのは、「2000人プロジェクトが終わってから」と控えていた。

妊娠がわかったのは07年10月。翌08年7月に出産し、汐留の母は実生活でも母になった。

産休・育休は、出産の2カ月前から1年8カ月、たっぷり取得した。「ワークライフバランスというより、私の場合、ワークワークバランス」と自認する仕事第一主義の沢田さんにしては意外に思えるが、深い事情もあった。

住まいのある横浜市は当時、待機児童数が日本一多い、子育て支援ワースト地区。子どもを認可保育園に預けたくとも、入れなかった。だから、育休を半年延長せざるをえなかったのだ。

だが、問題を前に、ただ指をくわえて見ているタチではない。沢田さんはなんと横浜市長の林文子氏に、2回も手紙を書き、待機児童ゼロを直訴したという。

「『財政事情もおありだと思いますが、今後、労働人口が減少するなら、女性の労働人口を増やすことは急務であり……』といったように、感情には訴えず、理路整然と書きました」

次ページ住まいの条件は、実家と会社から30キロ圏内
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT