「売れない営業」がわかっていないお客の感情 5つのポイントを押さえればおのずと売れる

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自動車販売店に勤めるHさん(32歳)は、いかにもという感じのさわやかセールスマン、営業・セールスについては自費で社外の研修や講座で学ぶほど勤勉ですが、営業成績は振るいません。Hさんは積極的にお客へ近づき、絵に描いたように見事なトークができるのですが、お客は購入せずに「検討します」と帰っていきます。

一方、同じ販売店のOさんは、見た目や話し方などはそれほどさえないのですが、来場したお客が次々と商談席へ自然に座り、1時間もすると「ぜひ、これでお願いします」と前のめりになって購入していきます。

HさんとOさんの違いは何か?

いったい何が違うのでしょうか。この2人に同じ質問を投げかけてみました。

Q1:「はじめにお客へ接触するときに考えていたことは?」

Hさん:「どの車に興味があるのかを考えていました」

Oさん:「どんな言葉を一番はじめにかけると安心してもらえるか、心地よくなるかを考えていました」

Q2:「お客にどんなことを質問しましたか?」

Hさん:「希望の車種、購入段階、予算、競合先などです」

Oさん:「なぜ、乗り換えを考えているのか、その理由を聞き、どんな気持ちが隠れているのか、本当に車の乗り換えの必要があるのかとはじめから一緒に考えました」

Q3:「商談時に心掛けていたことはなんですか?」

Hさん:「どうすれば今日、決めていただけるかを心がけていました。」

Oさん:「お客様にすべて安心していただけるためには、どうしたらよいか考えていました」

Q4:「いつも契約書を交わすときはどのような流れで切り出しますか?」

Hさん:「決めてくれそうだと判断したら『ご契約ということでよろしいでしょうか?』と意向を確認して、契約書を出し、キャンセルにならないように手付金をいただきます」

Oさん:「お客から、「とても納得できました。では、それでお願いします」と言われることが多いです。キャンセルになるケースはほぼないので、商談で疲れているお客の状況を鑑みて、ほかに用事もあるでしょうし、休日の時間を有効に使ってほしいので、お帰りいただき契約は後日お伺いすることもありますし、郵送にすることもあります」

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