恐竜時代の哺乳類、骨格化石で解明進むか

福井県勝山市で発見される

発見された骨格化石の部位(色の濃い部分)を示すイメージ図。「体の構造は生活様式を解明する手がかりになる」と期待が高まっている(福井県立大、福井県立恐竜博物館提供)

「恐竜時代の哺乳類の進化と多様化を解明する上で、とても貴重な資料となる」。福井県勝山市の約1億2千万年前の白亜紀前期の地層「手取層群北谷層」で今回発見された「多丘歯(たきゅうし)類」の化石は、骨格化石のため体の構造も分かり、種の分類だけでなく生活スタイルを解明する重要な手掛かりになるという。宮田和周県立大准教授らは「研究に弾みをつけたい」と意欲をみせている。

今回の多丘歯類の骨格化石は前側の両足首や、右前足の指などが関節部分も含めて保存されていた。宮田准教授は「歯のみの化石でも新種かどうかの分類は可能だが、体の構造が分かる化石は、ものすごいチャンス。指の長さが分かれば、木登りができたかなどの判別ができる可能性もある」と言い、多丘歯類の進化の解明につながるという。

宮田准教授らによると、白亜紀前期以前に多丘歯類の骨格化石として公式に発表されているのは中国で産出された1点と、さらに約4千万年古い約1億6千万年前のジュラ紀後期の1点のみ。国内では白亜紀前期のいずれも歯やあごなど部分のみで、骨格化石は見つかっていなかった。

「生態解明につなげていきたい」

宮田准教授は、骨格化石をさらに高性能のコンピューター断層撮影(CT)で詳細に調べ、生態解明につなげていきたいと話す。中国の化石との比較検討も進めていくほか、歯の大きさや突起のパターンから2008年に同じ地層で見つかっている多丘歯類と同系統の新種とみて調べる。

■多丘歯類 約1億6千万年前から約4千万年前まで生息していた哺乳類の一種で、ネズミなどの齧歯類(げっしるい)に似た小型の草食動物。多数の突起がある歯を持つのが特徴で、植物の実などをすりつぶして食べるのに適している。絶滅したのは齧歯類との生存競争に敗れたのが要因とされる。

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