フランスで聞いた、移民タクシー運転手の嘆き 意外と親切なフランス人、でも移民には……

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
フランスのパン屋を訪れ、「ボンジュール!」と挨拶すると、満面の笑みで迎えてくれる(写真:Getty Images)

ボンジュール!

というわけで私は年末年始をアジアで過ごしたのちフランスに来ているわけだが、こちらはとにかくパイ屋さんが多い。道端を歩いていると、それはそれはおいしそうなアップルパイやら焼き菓子が美しくデコレーションされていて、店員さんも建物も何かとかわいらしい。さすがファッションの都と言うだけのことはある。

大型の犬を飼っている人が多く、散歩中の●●の処理をしてくれないのでそこらへんにそれが落ちていることを除けば、どこに行っても美しい素敵な国である。

フランス人は不親切だとかいう人が多いが、大使館のビザ担当者を除けば、一言目の挨拶だけでも「ボンジュール」と言い、最後に「オーボワ」とにこやかにお辞儀して帰れば、英語でも何とか愛想で乗り切れる。むしろ当初の期待値が低かっただけに、フランスパンを買ったとき(ちなみにフランス人は早朝からパン屋さんでフランスパンを求めて行列をつくっている)、「メルシー」と笑顔で言われるだけで、殊の外うれしい。やはり満足するには期待値を低くコントロールすることが重要である。

なお、いきなり「ハロー」で始めると本当に対応が悪くなり、できる英語もできないふりをする店員さんが本当にいるので、どこの国に行ってもせめて挨拶だけはその国の言葉にして、敬意を示すことがあなたの海外生活を快適で実り多きものにする一助になるだろう。英国と長らく覇権を争いフランス語への誇りが高いこの国だとなおさらである(ビザの申請書類で最後の二枚くらいがフランス語だけなのは勘弁してほしいが……)

さて、フランスは実は移民が多く非常に国際的で、かなりいろんな国からプロフェッショナルが集まっている。そこで今回は何かとお騒がせな欧州危機の現場、ヨーロッパの移民社会で何が起こっているか、現地の声をお届けしたい。

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