ドコモ、子ども向けスマホ投入の狙い 新市場を開拓、安全性の確保は必須

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防犯ブザー機能もついており、緊急時にあらかじめ登録した番号に電話発信したり、位置情報を送信することも可能だ。位置検索機能の「イマドコサーチ」を契約すれば、子供の位置を地図で確認できる。育ちざかりの子供に合わせて、防水・防塵機能もつけた。マーケティング部の齋藤武統括担当部長は「私自身も中学1年生の息子がいる。料金面はもちろんだが、ネットを介したトラブルも心配なので、そうしたニーズに応えたかった」と話した。

そのほか、「ドコモゼミ」などの学習アプリや辞書、時間割、おこづかい張など、学習や生活に役立つアプリをプリインストール。同端末の専用の料金プランも新設し、月額2980円で500メガバイトまでデータ通信が利用できる。

安全面から親に寄った設計に

プロダクト部第一商品企画担当部長の樋口健氏は「子供のニーズと親のニーズは本来反発するものだが、今回は安全の面から、若干親御さんに寄った設計にした」と話し、今後は子供の成長に合わせて制限内容を緩和できるようにするなど、さらに調整を加えていく。

昨今のスマホ普及の勢いはすさまじい。小学生でもスマホを使うのが当たり前、といった時代はすぐにやってくるだろう。ただ、未成熟な子供が使い方を誤ると、思わぬトラブルに発展する可能性もある。

各携帯電話会社は、子供が安心して使える端末の開発や、環境づくりを進めていく必要がありそうだ。ドコモは全国の学校などで携帯電話のマナーやトラブル対処法を啓発する「ケータイ教室」を開催している。CSR(企業の社会的責任)の面からも、こうした取り組みはさらに重要になりそうだ。

(撮影:梅谷 秀司)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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