BMW「320d」の最新進化はここまでスゴい 半数を占めるディーゼルエンジン車の実力

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2リッターディーゼルエンジンの最高出力は140kW(190ps)@4000rpm、最大トルクは400Nm@1750〜2500rpm

BMW320dの“新世代”ディーゼルエンジンは、最高出力が従来のエンジンより5kW(6ps)上がって140kW(190ps)に、最大トルクは20Nm増えて400Nmになった。より高性能なガソリンエンジン用オイルポンプ(容量可変制御式)を新たに採用したことをBMWでは理由のひとつにあげている。

もう少しだけ専門的なことを書くと、コモンレールの燃料噴射圧を1800バールから2000バールに増大したのもパワーアップの背景にある。また1噴射工程での燃料噴射回数を最大5回から7回に増加させている。いっぽうで燃費は10%向上してリッター21.4km(JC08モード)とされている。

「ガラガラガラ」という音が気にならない

Mスポーツ仕様には立体的なグリップ形状を持つスポーツステアリングホイールも用意される

乗りこむと、補機類の駆動ベルトに遮音カバーをかけたという新たな対策も効を奏してか、従来よりディーゼルエンジン特有のノッキング音が低く抑えられているのが嬉しい。「ガラガラガラ」という音が気にならないのだ。エンジンは2000回転の下から4000回転という常用域でしっかりトルクが出るような設定で、スタートでも中間加速でも気持ちよく走れる。上手なセッティングだ。

3シリーズは2015年に改良が加えられており、中心は乗り心地の改善だった。以前は路面の状態によって干渉を受けやすくゴツゴツした乗り心地だったものが、別のクルマになったようなしなやかさに変わっている。金属部品の間でショックを吸収するブッシュ類の刷新と、サスペンション部品の取り付け部分の見直しがその理由という。快適性の向上は最大の魅力といえる。

ここで紹介したのはセダンだが、同時にステーションワゴンであるツーリング(534万円〜)も同様の足回りの改良と新エンジン搭載がニュースである。今回、ドライバーの死角になる左右後方の車両の存在や、追い越し車線から急接近してくる車両をドライバーに警告する「レーンチェンジウォーニング」が標準装備されたのもニュースだ。

(文:小川 フミオ)

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