セブンのお荷物「ニッセン」が債務超過懸念 月次売上高が4割減、10月にも抜本リストラか

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ニッセンはカタログ通販が主力だが、実店舗もわずかながら展開している。写真はセブン&アイのショッピングセンター「アリオ上尾店」にある、ニッセンの実店舗「スマイルランド」(撮影:風間仁一郎)

まさに崖っ縁に立たされている――。

セブン&アイ・ホールディングス傘下で、カタログ通販大手のニッセンホールディングス(HD)が、2016年5月の「月次売り上げ概況」を発表した。

主要事業会社であるニッセンの5月の売り上げは、前年同月比41%減と、大幅な減少となり、16カ月連続のマイナスを記録した。

ニッセンHDの苦況は今に始まった話ではない。2015年度は133億円の最終損失を計上し、3期連続での赤字となった。

企業の継続に黄信号

こうした状況を受け、2015年度末の決算短信から、企業としての事業継続に黄信号が灯ったことを意味する、「継続企業の前提に関する重要事象」が記載されることとなった。

事態の打開に向け、昨秋に希望退職の募集に踏み切ったほか、今年3月には不振が続いた大型家具事業からも撤退した。

さまざまな止血策を講じたものの、現時点で目に見える成果は乏しい。

2016年度の第1四半期(1~3月期)は稼働顧客の縮小に加え、広告宣伝費や販売促進費の先行投資もあり25億円の最終損失となった。

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