サ高住特集

価値あるサービスがキーポイント 整備目標上乗せ、補助金拡大

拡大
縮小

市場調査で高齢者の
ニーズに応えるサービスを

しかし、供給量の増加に従い、「需要やアクセス性を軽視した施設の増加、見守り・生活相談・ケアサービスの品質のばらつき、自社サービスへの利用者の囲い込みや過剰な介護保険サービス提供といった問題が浮上してきています。また、サ高住の全国的な稼働率統計はありませんが、一部のアンケート調査等の結果では平均稼働率は80%程度となっているものもあります。ですが、稼働率にはかなりばらつきがあり、実態はもう少し低い可能性があります」と松田氏。社会的意義のためにサ高住を建設したとしても、ビジネスとして成り立たなければ事業者も入居者も困ったことになるのは明らかだ。

では、どうするか。松田氏は「サ高住は建てておしまいという箱ものビジネスではなく、オペレーションもの。誰と一緒にサ高住をつくり、いかに魅力的な運営をしていくかがカギです」とアドバイスする。

たとえば、サ高住は安否確認と生活相談の二つを最低限のサービスとして提供し、それ以外のサービスは必要に応じて自由に選べるのが大原則。このサービスレベルが、自宅に住みながら訪問介護を使うのと差異がなければ、あえてサ高住へ住み替える必要はない。つまり、サ高住へ移り住む動機を喚起するサービスの内容や品質を、妥当な対価で長期的に提供できるかどうかがカギというわけだ。

二つの基本サービス以外、事業者が提供するサービスの組み合わせは自由自在だ。「サ高住は地域密着型の産業ですから、地域の特性に応じて、高齢者にどんなサービスを提供すればよいのか、徹底的にマーケティングを行い、最適なオペレーターに運営を任せることがポイント。それには、ノウハウと経験があり、信頼できる企業に協力してもらうというのも一つの方法です」と松田氏は説く。

次ページ医療機関や地域企業でも事業機会は十分ある
関連ページ
積水ハウス
住宅メーカーならではの高品質な居住性で資産価値の高いサ高住を実現
ページはコチラ
積水化学工業
卓越したノウハウと豊富な経験で安心と温もりがあるサ高住を提供
ページはコチラ