アサヒビール、ブランド戦略に新境地 ドライの成功なぞり「クリアアサヒ」初の派生商品

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そして、アサヒのブランド戦略にとって、もう一つ気になるのが小売りとの共同企画であるプライベートブランド(PB)商品への取り組みだ。ビール大手の一部は、セブン&アイグループなどにPBビールの提供に動いている。

小路社長は「PBを否定しないが発売予定はない。アサヒビールはナショナルブランド(NB)メーカーとして、全国どこでも購入ができるようにする責務がある。流通と協力するとしても、アサヒビールの商品を限定で販売してもらうなど留め型にとどめたい」と語った。

来年に消費増税を控え、贅沢品であるビール市場への悪影響が懸念される中、小路社長は「単に良い商品をつくれば売れる時代は終わった」との認識を示した。いかに強いブランドをつくり、育てていくか。アサヒビールの真価が問われている。

(タイトル下写真のモデルはアサヒビールキャンペーンガールの堀口ひかるさん、撮影:武政 秀明)

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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島田 知穂 東洋経済 記者
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