インドネシアでは上司に話しかけちゃダメ? 「報告・連絡・相談」も邪魔なだけ

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日本とインドネシアは似ているところが多いです。JapaneseとJavaneseという発音が似ているのもそれが理由かもしれません(笑)。インドネシア人は日本人が好きで、日本の企業で働きたいと思っています。

――インドネシアに進出したい国はどんどん増えていて、韓国や中国の企業もたくさん進出していますが、就職先として日本企業は好かれていますか?

スハルトさん:はい。いろいろな国の企業が入ってきていますが、それでもまだ日本のモノと人の「質」を評価しています。日本の方が第2次世界大戦の後、最初にインドネシアに来て貿易を始めたので、歴史がありますし、インドネシアと常識も似ています。

Honesty(誠実さ)、Punctual(時間の正確さ)、Detail(きめ細やかさ)、Indirect(間接的表現)、Respect(尊敬)、Seniority system(年功序列)、Loyalty(忠誠心)など、日本にはよいところがたくさんあり、インドネシアの文化と似ているところも多いです。インドネシアの人は慣れ親しみやすい会社で働きたいと思っており、日本企業に勤める事を希望します。

インドネシア市場の可能性

――最後に、これからインドネシアへ進出しようと考えている人にアドバイスをお願いします。

スハルトさん:インドネシアでビジネスを行うのであれば、今がとてもいい時期です。その理由は、国内の状況です。

インドネシアはこの10年で6%の経済成長を達成しました。1998年のアジアの経済恐慌では打撃を受けましが、そこから学び、2007~08年の恐慌では打撃が少なくて済んだのです。

恐慌を乗り切れた理由の1つが、輸出を強化したことと、国内の消費を増やしたことです。今、国のプロジェクトとして中流階級を現在の4500万人から、2030年には1億3500万人にする計画が進められています。人口の半分が若者のインドネシアがこのまま成長し続ければ、可能な数字です。

これから30年、働き盛りの人がたくさんいる社会なので、中流階級が増えるとその人たちがよい消費者になります。そうなれば国の経済が回り、進出してくる企業にとっても魅力的な市場になるでしょう。

インドネシアでビジネスをするためには、いいローカルパートナーを探すことです。いいパートナーがいればよりスムーズにビジネスを進めることができるでしょう。

(撮影:梅谷 秀司)
 

竹村 真紀子 IWCJ代表

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たけむら まきこ / Makiko Takemura

一般財団法人International Women's Club JAPAN(IWCJ)代表理事
International Women's Club ASIA(IWCA)事務局長。日韓中を中心にグローバルマインドをもつ家族で構成される俱楽部を運営し、アジア圏でのビジネスマッチングを推進するとともに、次世代がアジア人としてグローバルに活躍できるよう、30カ国以上の駐日大使館の協力を得て、子ども向けにリトルアンバサダー・プログラムを開催。国際機関で海外人向けの「日本のビジネスマナー」研修を担当。
 

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