インドネシアでは上司に話しかけちゃダメ? 「報告・連絡・相談」も邪魔なだけ

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人さし指などで、ものを指さすのもいけません。同僚などに対して行うときには、5本の指すべてをそろえて、手のひらを上に向けて指すか、もっと敬意を払う必要がある場合には、拳をつくって親指だけ出して上に向け、親指で指します。

インドネシアは”キラキラ”の国?

――インドネシアの方の時間の感覚はどうでしょうか? Jam Karet (ジャム・カレット=ゴムの時間)という言葉を聞いたことがあります。

スハルトさん:Jam Karet、時間はゴムのように柔軟だという意味です。これは上下関係の話にも関係します。インドネシアでは上下関係が厳しいので、待ち合わせやイベントの開始などは上司や、敬意を払わなければいけない人が来るまで待ちます。

また、上の人は威厳を保つためにゆっくりと来ることが多いのです。その人を待たなければいけないので、自然と時間には柔軟に対応できなくてはいけません。でも最近は仕事に関しては時間厳守になってきています。

時間という意味では、話をしたりするときにも、質問に対して即座に答えるよりも10秒ほど間をおいてから答えることもあります。そのほうが、真剣に話をしているように思うからです。

――即座に答えが返ってこなくても、沈黙が答えだとは思わないほうがいいのですね。

スハルトさん:はい、そうです。インドネシア人はGood Listener(聞き上手)なのです。

――インドネシアは「キラキラの国」とも言われているそうですね。

スハルトさん:Kira kira (およそ)という意味ですね。インドネシア人にとっては、細かいことよりもゴールを目指すことのほうが大切なのです。話し合いをするときには、いちいち詳細まで話しません。

日本人はとても詳細と正確さを大切にしますよね、数字などで、詳細なものが欲しいときには、きちんと伝えないと出てきません。

ビジネスのミーティングにおいてもそうです。ビジネスを始めるとき、最初の打ち合わせから、仕事の話はしないと思ってください。最初のミーティングでは文化について話したり、ジョークや面白い話をします。

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