専門学校特集

和食のスペシャリストとなれ 東京すし和食調理専門学校

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日本が世界に誇る和食文化。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたのも記憶に新しいが、国内においては、和の復権、そして高齢化社会を迎える今後、和食の需要が増えるという見方もある。しかし、需要に対して、食の多様化や、伝統の継承者不足など、取り巻く環境は必ずしも良いとは言えない。
こうした状況のなか、2016年4月に開校したのが「東京すし和食調理専門学校」。国内初となる、すし・和食に特化した専門学校だ。いま、なぜ和食なのか。豪華な講師陣が同校にそろう理由は何なのか。その充実のカリキュラムを解説。
学校法人 水野学園 東京すし和食調理専門学校 東京都世田谷区池尻2-30-14
◎学部・コース 和食料理人コース(2年制)、すし職人コース(2年制) ◎在校生数 49名(2016年6月) ◎主な就職先(2016年3月卒) 2016年開校のため実績なし

和食の基礎から多面的な授業まで
そのすべてが濃密である2年間

世界各地で広がった和食ブーム。単なる一過性で終わらないことを世界に知らしめたのが、2013年の「和食」の無形文化遺産登録だった。

四季折々の多様な食材、みそやしょうゆなどの発酵技術を取り入れた独自の調味料、多様な和食器などを通じて五感を楽しませる世界観。素材の持ち味を最大限に引き出しながら、アートのように季節感を表現する独自のすばらしさは、世界中を魅了している。

また、精神文化としての側面も世界から高い評価を得ている。もてなす人、もてなしを受ける人が互いに思いやり、自然の恵みに感謝する。こうした和の精神をベースに持つ「おもてなし」文化が和食の真髄だ。

和食の調理テクニックはもちろん、その文化背景や根底にあるスピリットを継承するために開校されたのが「東京すし和食調理専門学校」である。

同校の特徴は、まず「和食料理人コース」と「すし職人コース」の2種類にしぼった日本初のカリキュラムである点だ。1年次は、2コース共通で和包丁の使い方やだしのとり方など、和食調理の基礎や調理技術全般を学び、2年次より各専門課程に進んでいく。

さらにその先のスキルアップのために、日本酒や和菓子、発酵学、郷土料理などの和食全般をカバーする専門カリキュラム「研究コース」も用意されている。

こちらでは、日本料理の起源といわれる平安貴族の「大餐(だいきょう)料理」や室町時代の「本膳料理」、また、海外のベジタリアンやビーガンに支持される「精進料理」や「普茶料理」といった幅広い和食について学ぶことができる。また、和食ビジネスや海外市場などについて業界を研究するクラスも用意されている。

世界的に著名な料理人から直接学ぶ

同校が迎えた講師陣がまた豪華である。和食カリキュラム担当講師として教育顧問に就任したのが、「銀座小十」オーナーシェフの奥田透氏。2003年に同店を開店し、7年連続「ミシュランガイド東京」で三ツ星を獲得した和食界の気鋭の料理人だ。

「世界中の人たちが和食に憧れ、世界トップレベルの料理人たちも和食のテクニックをとり入れようとしています。日本の調理専門学校では長らくフランスやイタリアなどの西欧料理が人気でしたが、今や世界で一番注目を集める料理は和食になろうとしているのです。これから料理を学ぶ若い世代に、日本で生まれた和食の魅力が受け継がれることを願っています」(奥田さん)。

「鮨よしたけ」吉武正博氏
世界的に有名なすし職人から学べるのは同校の大きな魅力だ

一方、すしカリキュラム担当の教育顧問は、2009年に「鮨よしたけ」を開業し「ミシュランガイド東京」で5年連続三ツ星を獲得している吉武正博さん。香港に「Sushi Shikon すし志魂」を出店するなど、世界的にも有名なすし職人だ。

昨今、ネットで話題になっている、すし職人が10年、15年修業してやっとすしを握らせてもらえるようになるということは、実際の現場では、時代遅れな話だという。

「すし業界が求めているのは『若い即戦力』です。学校で学ぶことはすしの基本の基本ですが、この課程を経た人は現場に出たその日から、店にとって必要とされる人材となることができます。即戦力として通用することが証明できれば、先輩からも仕事をどんどん回してもらえ、信頼を得て、より早くキャリアアップすることが可能になるのです。“Sushi”がもはや世界共通語となった今だからこそ、正真正銘の江戸前すしの伝統と技術、そして奥の深い職人仕事のすばらしさを学ぶことに意味があると思います」(吉武さん)。

そのほか、調理実習担当にも各界一流の料理人が名を連ねる。奥深い和食とすしの魅力と技術について学ぶ環境としては、この上ない場である。

今年の4月からスタートしたばかりの「東京すし和食調理専門学校」は、現在第1期生49人が学んでいる。和食とすしの本格的な料理人を育成する同校の取り組みは、日本の優れたもの、“おいしい”“かっこいい”を世界に発信する企業をサポートする「クールジャパン機構」も後押ししている。

世界無形文化遺産に登録された「和食」は重点ジャンルのひとつ。講師陣に本物の料理人を揃えた時点でもおして知るべしだが、来年以降、世界にはばたく料理人が、ここから輩出されることに熱い期待が寄せられている。

 

 

お問い合わせ
東京すし和食調理専門学校
入学相談室
東京都世田谷区池尻2-30-14
 0120-040-399
 info@sushi-tokyo.jp
 http://sushi-tokyo.jp/

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