1ドル=80円~88円、円安のピークは上半期

専門家に聞く2013年の為替見通し

1ドル=85円を突破するなど、約2年5か月ぶりの円安ドル高になっている為替市場。13年はどうなるか。みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミストに話を聞いた。
(聞き手:小河  眞与記者)

2013年の為替相場は、自由民主党が選挙公約に掲げた「官民協調外債ファンドの創設」が実現するかどうかで話が変わってくる。官民協調外債ファンドが実現すれば、金融政策が通貨政策に割り当てられる話になり、変動相場制から固定相場制へやや傾斜するような動きとなる。非常に大きな話になるわけだが、そこまでの認識を持って議論されているのかが、不透明だ。

官民協調外債ファンドが設立されれば、円安はさらに進み、1ドル=90円を安定的に上回る可能性もあるが、常に「相手がある」為替の世界において、米国政府を含む海外からそのような為替操作と取られかねない政策が容認されるのか、実現性は今のところ低いと考えている。とりあえず、これが成立しないことを前提に見通しを立てたい。

ドル高円安のピークは上半期、年央以降は巻き戻しへ

官民協調外債ファンドの話を抜きに考えると、レンジはドル円で1ドル=80~88円と見ている。足元では、円安が進んでいるが、日米間の「金利差なき円売り」であり、そうした動きは続かないと言うのが、歴史の教訓だ。足元の金利差を前提にすれば、1ドル=80円程度がまっとうなイメージではないか。

現在は07年7月と同じ水準まで、IMM(シカゴマーカンタイル取引所の通貨先物)の円売りポジションが積み上がっているが、当時は日米間の金利差が大きく、ボラティリティも低く、円キャリー取引に魅力があった。いまは安倍首相への期待がかなり含まれていると言わざるを得ず、政策の進捗を丁寧にチェックしていく必要がある。

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