「あせも」を防ぐには衣類の締め付けに要注意 頻繁な汗出しでかえって汗っかきになる!?

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汗あれを防ぐには、普段のスキンケアが大切です。体を洗いすぎて乾燥すると汗あれを起こしやすくなります。夏は特にべたつきが気になって、つい洗い過ぎる人が多いもの。しかし、汗をかいてべたついても、汗の99%以上は水であり、油性汚れではありません。よって、せっけんで洗わなくても落ちるのです。夏場でも、毎日せっけんで全身を洗うのは、洗い過ぎになることがあります。背中や胸の真ん中などの皮脂が多い部分は毎日せっけんをつけて洗い、それ以外の部分はお湯で流すだけにして、せっけんを使うのは週2~3回にとどめましょう。

入浴後は保湿が大切。夏でも腕や脚にはボディローションなどを塗りましょう。

汗を出すことはデトックスにあらず

汗っかきの人は、夏になると悩みが多くなりますね。汗は、出そう出そうとしていると、より出やすくなってしまいます。サウナや半身浴などによる汗出しを頻繁に行うと汗っかきになることがあるので、ほどほどにしましょう。

汗を出すとデトックスになると思っている人がいますが、そういうものではありません。汗は99%以上が水。汗と一緒に毒素が体外に出るということはなく、また、汗をかく人がやせやすいということもありません。無理に汗出しをしても、メリットはないのです。

では反対に、汗が出ないようにする方法はあるのでしょうか。制汗剤などが売られており、脇などに使用するとある程度は効果がありますが、一日中効果が続くことはないようです。

脇の重度の多汗症に対しては、ボツリヌス製剤を用いた治療が可能で、保険適用になっています。重度の多汗症で生活に困っている人は、この治療を扱う皮膚科で相談しましょう。

手足の多汗症の相談も多いですが、これを確実に止める薬はなく、治療は難しいものです。緊張しやすくてすぐに汗が出るという人は、交感神経の緊張が強い人に多いよう。副交感神経にうまくスイッチする方法を探してみましょう。腹式呼吸をしてゆっくりと息を吐く、爪の付け根の部分をもむ、などが簡単な方法ですので、試してみましょう。

吉木 伸子 皮膚科・美容皮膚科医院長

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よしき のぶこ / Nobuko Yoshiki

皮膚科・美容皮膚科「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。皮膚科医。1993年横浜市立大学医学部卒業、 同年慶応義塾大学病院 皮膚科学教室に入局。1994年浦和市立病院(現さいたま市立病院)皮膚科勤務。1996年埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)のレーザークリニック勤務。その間、アメリカ・オハイオ州クリーブランドクリニック形成外科、日本漢方研究財団附属渋谷診療所にて、美容医療および東洋医学の研修を行う。日本美容学校皮膚科非常勤講師を兼任。
1998年「よしき皮膚科クリニック銀座」を開業、現在にいたる。TV出演や雑誌の連載など多数。主な著書に『美容皮膚科医が教えるあこがれ「美人」のつくりかた』(日本文芸社)や『いちばん正しいスキンケアの教科書』(西東社)などがある。
 

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