アステラス製薬

革新的価値のある新薬を持続的に創出し、
社会とアステラスの未来を拓く

世界にまだないくすりのために。

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グローバル製薬企業として成長を続けるアステラス製薬。環境変化のなかに機会を見出し、自らの強みを活かして患者さんに革新的価値を提供していく――。そんな同社のビジョンは、ビジネス、イノベーションの考え方とはどのようなものなのか。桝田恭正CFOに、シンクタンク・ソフィアバンク代表の藤沢久美氏が迫った。

藤沢 2015年度の決算も好調でしたが、まず貴社のビジョンについてお伺いできますか。

桝田 私たちは、「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」ことをビジョンのコンセプトとし、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業を展開しています。アステラスは、医療における環境変化を多面的にとらえ、継続的に事業機会を見出そうとしています。そして、新たな価値を患者さんに確実に届けると同時に、私たち自身も成長したいと考えています。

藤沢 どんな企業のトップも、自分たちが掲げたビジョンに近づくのはとても難しいとおっしゃいます。

桝田 そのとおりで、私たちはイノベーションをつねに創出し、患者さんにとって価値のある新薬を生み出さないかぎりビジョンを実現できません。その為にまず自社の研究開発力や事業開発力を磨くと同時に、外部イノベーションの活用、つまりオープンイノベーションについてもその為の専門チームを増強して世界中から新規化合物や新技術を獲得してくるなど、積極的に取り組んでおります。

藤沢 製薬企業は活動自体に社会的意義がありますが、貴社はCSR(企業の社会的責任)についてはどうお考えでしょうか。

桝田 恭正
Yasumasa MASUDA
アステラス製薬 上席執行役員 財務担当(CFO)
1957年生まれ。80年慶應義塾大学経済学部卒業。2001年12月ノースウェスタン大学ケロッグ校経営学修士課程卒業。1980年藤沢薬品工業株式会社入社。2003年経理財務部 財務室長。2005年4月アステラス製薬株式会社 財務部長および執行役員 経営推進部長などを経て2012年6月より現職

桝田 私たちは、アンメットニーズ(未だ満たされない医療ニーズ)に応える新薬を創出してその価値を社会にお届けするという事業活動そのものが、社会の持続可能性への貢献となり、またその結果として、社会からアステラスへの信頼を通じて企業価値の持続的な向上にもつながると考えています。また、このところ「Access to Health」という考え方を強く意識するようになってきています。世の中には貧困などの理由で必要な薬を入手できない多くの人々がいます。また、発展途上国の熱帯地域を中心に蔓延している「NTDs(顧みられない熱帯病)」などのように商業的な理由で治療薬の開発が遅れてきた疾患もあります。アステラスはこのような分野で自社の研究ノウハウやパートナーシップ等を活用した早期の新薬創出に向けた各種取り組みを始めていますが、今後も更にAccess to Healthへの積極的な取り組みを進めたいと考えています。

藤沢 社会に貢献しながら好業績をあげるのは簡単ではありません。しかも、新薬の創出は約3万分の1という成功確率と聞いています。事業リスクをどのようにとらえていらっしゃいますか。

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