これまでにおいても、新たな首相が誕生するたびに、新しい成長戦略がそれなりに策定されてはきました。しかし、結局は実行されることなく、その成長戦略は忘れ去られていく運命にありました。
なぜかというと、政府が成長戦略を実行に移す気がまったくなかったからです。新しい成長産業をつくるにしても、その成果が目に見えるかたちであらわれるには、早くて5年、普通は10年の年月を要します。
政治にとって優先されるのは、成果が出るのが先になる政策ではなくて、目先の選挙で投票してもらえる政策を実行することです。したがって、政府は成長戦略において総花的な政策を掲げて、賛成しているような素振りを見せますが、結局は真剣に取り組もうとはしてこなかったのです。
いま国民は本当の政治を求めています。政治が国民に本気で明るい未来を見せたいのであれば、政府が優先してやるべきことは決まっているのです。安倍新政権には、今度こそ国民の期待に応えてもらいたいと思います。
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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara
経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら
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