地方ベンチャーが地方を、そして日本を救う アルビレックス新潟の奇跡(第4回)

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新潟を1つの事例として、地方でビジネスを起こすクラスターをつくり、地域社会をつくっていくということを提言していきます。NSGグループのほかにも、もっとすばらしいことをやっている企業は当然たくさんあるので、そういう運動を起こしていくということです。

同時に、日本がこれから海外で勝てるエリアはどこなのか、ということも考えていきます。それは環境であり、公共福祉であり、クールジャパンかもしれない。日本の持っている力やリソースを開発して、海外進出するにはどうしたらいいか。それらを考えるため、海外に進出して成功を収めている中小企業のモデルなども提供しています。そういった情報提供をしながら勉強会などを開いて、政府にも訴えていくというのが、ニュービジネス協議会の発想です。

――NSGグループ内でも、社内ベンチャーのような仕組みありますか?

そのための、自己申告のシステムがあります。また、グループ内には起業家ならびに組織内事業創造を目指す人材を育成する事業創造大学院大学もあるので、希望すればいつでも通えます。

社員提案で大きく育ったビジネスも

これまでにも、社員からの提案で大きく育ったビジネスはいくつかあり、特に病院や介護など医療系のビジネスが好例です。しかし、病院で成功した社員はその前に予備校の事業にチャレンジして失敗していますよ。

eラーニングなどをやっていたのですが、大手予備校との競争に打ち勝つだけの戦略を持ち合わせていなかったため、3億円くらいの損失を出しました。後発でも大手予備校に負けじと成功を収めている予備校はたくさんあるので、やり方はあったはずなのですが、彼はその部分が甘かったのです。

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