ライフネット、仰天の「新人」活用法 出口社長「株主総会を新卒に仕切らせる」

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生保の料金も同じ。大手生保会社は全国の一等地に支店を持ち、人件費も莫大だ。しかしライフネット生命は支社を持たず、インターネットで生命保険を販売する企業だ。社員数も現在90名ほどと少数で運営している。だから半額にできる。

保険の種類も絞っている。「かぞくへの保険」「じぶんへの保険」「じぶんへの保険プラス」「働く人への保険」とシンプルであり、複雑な特約もつけない。こうして本当に必要な生命保険を大手生保の約半額で提供している。

―― 一般にベンチャー企業の創業初期は、中途採用で人材ニーズを満たすケースがほとんどです。しかし、ライフネット生命は設立後の早い時期から新卒採用をしています。新卒採用の目的、およびどのような取り組みをしているのか教えてください。

ライフネット生命でも採用のメインは、新卒採用ではなく中途採用だ。開業時の社員数は50人弱だったが、現在は90人。そのほとんどが中途採用だ。業務に必要なスペックを持っている人を採用してきた。今年に入ってからも17人を中途採用し、このうち60歳以上の人は2人もいる。スペックだけで、年齢を問わないからだ。

中途採用がメインだが、新卒採用も重視している。新卒の採用活動を本格的に開始したのは10年からだ。この採用活動によって11年に入社した2人が1期生になる。12年入社の2人が2期生、13年入社が3期生で、現在1人が内定している。

新卒採用の目的だが、ライフネットは100年後に世界一の生命保険会社になることを目標としており、そのDNAを引き継ぐ人材を獲得する手段として新卒採用を位置づけている。

新卒採用の数が少ない理由は厳選採用だからだが、社員数90人という規模から考えて妥当だろう。DNAを引き継いでもらうために赤ん坊から育てる新卒人材は、これからも毎年数名で十分だと考えている。

――世間の新卒採用の対象者は、来春卒業予定の学部生と院生です。ライフネット生命ではいかがですか?

いえ、ライフネット生命は学生、既卒者、留学生を問わず、入社年の4月時点で30歳未満の人であれば、就業経験があっても「新卒」と定義している。大卒と限定していないので高卒でもいい。年齢、性別、国籍、専攻、出身大学、留年年数などによる選考への影響は一切ない。

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