中国「爆買い規制」で大打撃を受けるのは誰か

政府の狙いは「国産品の品質向上」にある

個人観光客の「爆買い」は減るのか、影響を受けないのか(撮影:尾形文繁)
「爆買い」は中国政府の政策変更によって、どのような影響を受けるのだろうか。中国政府の規制について詳しい大手法律事務所「錦天城弁護士事務所」上海オフィスのシニアパートナーである裘索(Qiu Suo)さんに真相を聞いた。

中国が今目指しているのは品質向上

――3月に開かれた全人代において、「供給側改革」の1つとして中国人の訪日旅行客に人気のハイテク便座を中国の業者が製造できるようになることを挙げた。

炊飯器やハイテク便座を買う中国観光客が日本では大々的に報道され、「爆買い」の様子は中国でも報道されました。これをみて多くの政策当局者は反省をしました。

中国にはご存知のようにたくさんの工場がある。別に炊飯器やハイテク便座を作れないわけではない。なぜ、中国人はみんなわざわざ日本に行って、これらの商品を購入し、中国に持って帰るのか。重いにもかかわらず、なぜ日本の製品を買うのか。その理由は中国製は品質が良くないと思われているから。品質が悪いから、こうしたことが起きている。その点を反省したわけです。

つまり、今目指しているのは「中国製品の品質を高めよ」ということ。国産化運動という意味合いもありますが、品質向上ということが主目的だと思います。

――中国政府は輸出主導の経済成長を維持できなくなったことで内需を重視している。

以前から内需拡大が課題になっている。ちょうどリーマンショックが一つの転換期でした。それまでは輸出と不動産が中国の経済を牽引していたが、昔の勢いはもうなくなってしまった。そこで内需拡大と同時に可能な限り国産品の比率を高めていく、ということになったのです。今、それをさらに徹底させる必要が生じている。

――国産商品推進が行き過ぎていませんか。中国当局がIT分野において独禁法を活用して外資を排除しようとしていることをアップルやマイクロソフトなど多くの企業が危惧している。

中国がIT分野を強化しているのは事実。先進国を超える一つの分野にしたいということです。中国は経済の規模では世界第2位ですが、まだハイレベルな経済構造になっていない。二次産業が中心になっているが、今ではその牽引車であった鉄鋼も厳しくなった。そこでeコマース、IT分野などに力を入れるようになったわけです。そうした過程で多少の摩擦が生じるのはやむを得ないことでしょう。

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