1ドル103円台突入、日本株は今後どうなるか 相場は日経平均だけ見ていてはわからない

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株式の割安度合いを測る指標の一つにPBR(株価純資産倍率)があるが、この数字1倍は解散価値を示し、平時において市場全体のPBRが1倍を下回ることはめったにない。

今年に入ってから株価は急落したが、実はPBRで見ると、1倍を下回ったのは2月安値時(12日の1万4952円)1日のみで、これを例外とすれば、1.04倍が最低だ。

今の日本株は本当に「割安」と言えるか

ここではPBR1.10倍未満(即ち1.04~1.09倍)にまで株価が下落した期間を取り上げてみよう。実は前述した米国10年債利回りが1.80%を下回った時期とほぼ一致しているのだ。米国金利が想定以上に低下する環境下では日本株は割安と思われる水準まで下落していることになる。

PBR1.10倍未満の期間と日数、同期間の日経平均の平均値を示すと以下のようになる。

2月9日~3月1日   15日 1万5956円
4月1日~12日、18日  9日 1万5918円
5月2日~9日             3日   1万6156円
6月14日・15日      2日 1万5889円

筆者は日経平均株価で1万6000円を割り込んだ水準は、底値圏と考えてよいと考える。ただし過去3回で株価が底離れできたのは米国市場が落ち着いて10年債利回りが1.80%を上回ったことが背景にある。

足元では6月3日の雇用統計が「異常値であった」ということが確認されるまでは米国金利のノーマルな水準への上昇は難しく、日本株の株価の戻りも容易ではないと考えられる。

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