立命館大学

実験経済学が経済学を変える。
立命館の挑戦。

人間の複雑な心理と不合理に思われる行動を理論に反映させる試みが経済学で始まっている。実験経済学、行動経済学がそのフロンティアを切り拓く学問である。立命館大学経済学部では、いち早くこれらの学問分野に注目し、研究・教育に取り込んでいる。同学部は大規模な改革に取り組み、2017年度から、新しいカリキュラムをスタートさせる。学生の主体性を伸ばす様々な取り組みとともに、かつて類を見ない海外インターンシッププログラムを立ち上げるなど国際教育の強化に乗り出す。

経済学で課題に挑戦する人材を育てる

紀國 洋
立命館大学 経済学部 教授
副学部長
研究テーマ
■耐久財独占と計画的陳腐化
■知的財産権制度の経済分析
■拡大生産者責任制度が企業行動に与える効果

マックス・ウェーバー著『職業としての学問』(尾高邦雄訳、岩波文庫)に次の言葉がある。「学問上の『達成』はつねに新しい『問題提出』を意味する。それは他の仕事によって『打ち破られ』、時代遅れとなることを自ら欲するのである。学問に生きるものはこのことに甘んじなければならない」。学問は常に新たな課題の挑戦を受ける。大学教育には、国内のみならず世界が抱える課題の解決に貢献する人材の育成を付託されている。

紀國洋教授(経済学部副学部長)は「企業、行政機関は学生に語学力や専門性だけではなく、チャレンジ精神や逞しさを求めています。そのような資質を鍛えることもカリキュラム改革に反映させます」と語る。

経済学部では毎年120名を超える学生が留学プログラムに参加する。新たなカリキュラムはプログラムのメニューを増やし、250名の学生を海外に送り出す計画である。

今年の夏には、UAE(アラブ首長国連邦)を学生が訪問するインターンシップも行われる。このインターンシップでは、現地で石油開発を行っている日系企業での就業体験を通じ、エネルギービジネスの根幹や多国籍従業員で構成されている企業文化を体感する。

立命館大学経済学部には1学年に約800人の学生が在籍する。それにもかかわらず、「大規模社系学部では難しいと言われている少人数教育を強化します。そのため原則として卒業研究を必修にします」と紀國教授は強調する。一人ひとりの学生が主体性を持って自らの特長を伸ばすことのできる教育が強化されることになりそうだ。

太陽光発電に対応した生活は可能か

島田 幸司
立命館大学 経済学部 教授
副学部長
研究テーマ
■環境政策
■エネルギー消費行動分析
■地球温暖化対策評価

その経済学部で力を入れている実験経済学、行動経済学とは何か。

島田幸司教授らは淡路島南端の離島・沼島で行われた国家プロジェクトに兵庫県、神戸大学等と共同で参画し、一つの実験を行った。50世帯の住民を対象に、雨の日や曇りの日に使う電気の量を減らせば経済的に得をするような仕組みを取り入れて、太陽光発電に対応した生活に誘導できるかどうかを試したのである。

「太陽光発電などは発電量に変動があり、変動が激しいと停電が起きる危険性があるとして、受け入れを制限する電力会社もあります。電気を使う側が、天候の悪いときに節電すれば、そうした問題を解決できる可能性があるのではないかと考え、実験でその可能性を探ったのです」

スマートメーターと連動したタブレットアプリを使用して行われたプライシング実験

結果は成功。実験に参加した世帯は14%も消費電力が削減されたのである。これまでの経済学では、生活に使う電気は経済的なインセンティブに反応しにくいという定説があった。その定説に「反証したかった」という島田教授の狙いはズバリ的中したのである。

「この実験で得られた知見が社会に実装されると、変動する自然エネルギーの供給制約が緩和されることも予想できます」

と、島田教授は手応えを感じている。

グエン・テイ・キム・トーア
立命館大学経済学研究科
Master's Program in Economic Development (MPED)コース(英語プログラムコース)

ちなみにこの実験では、スマートメーターを使い、参加した世帯の電力使用量のデータを秒単位で収集した。そうして集まった膨大な量のデータを処理したのは、立命館大学経済学研究科における英語によるプログラム(MPED)で学ぶベトナムからの留学生、グエン・テイ・キム・トーアさんだ。

「高校で歴史を学んで日本に興味を持つようになり、立命館アジア太平洋大学に留学し、その後立命館大学の修士課程に進学しました。将来は世界で活躍できるような人材になりたいと考えています。そのための基礎は、立命館で養えたと思います」

と、トーアさんは母語・英語の他にも流暢な日本語で語る。

アジア・アフリカを中心とする世界中の国から有能な人材を留学生として受け入れるMPED。英語による少人数ゼミナールで研究指導を行う
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