ビッグマックに復活懸けるマクドナルド 待ち時間60秒超で無料券も

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待ち時間を計るための砂時計も用意(写真右)

「60秒以内に提供する」という基準について日本マクドナルド側ではどう考えているのか。

今回のキャンペーンに関する記者発表会と同時に、マクドナルド六本木店で20日に開かれたイベントには、元サッカー日本代表の中山雅史さんや、女子サッカー日本代表の安藤梢選手、熊谷紗希選手がゲストとして登場。3人のオーダーに対し、マクドナルドのスタッフが60秒以内に商品を提供できるか競い合った。

結果的に安藤選手、熊谷選手は60秒以内に商品を受け取れたが、中山さんはビッグマックのセット、てりやきマックバーガー、チーズバーガー、チキンナゲットにマックフルーリーと複数の商品をオーダーしたため、60秒以内に受け取ることはできなかった。

無料券提供は再来店の動機作り

マクドナルドの都内店舗に勤める、あるアルバイト店員も、「渋谷など大型店ならまだしも、小型店は廃棄を出さないように、オーダーが入ってからポテトを揚げたり、ナゲットを解凍したりするので、60秒で提供するのは無理」と話す。

そもそも60秒での提供はハードルが高いという点では、従来の期間限定値下げや割引券の配布に代わって、商品無料提供のクーポンを配布する戦略に打って出るととらえることもできる。会社側も「値下げはその時点限りだが、クーポンの場合は再来店の動機作りにつながる」とその効果を説明する。

ただ、すでにコーヒー無料券や携帯クーポンを大量に配布して客単価を落としている同社が、これ以上無料提供を広げる意味がどこまであるのか。その成否は、早ければ2月上旬に開かれる同社の12年12月期決算発表の場で明らかになる。

(撮影:今井 康一)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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