39%の人が、費用を理由に医療を受けなかったことがある

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39%の人が、費用を理由に医療を受けなかったことがある

医療分野のシンクタンクである日本医療政策機構(NPO法人)が、今年1月に全国の20歳以上の男女を対象として実施した「日本の医療に関する2008年世論調査」によると、過去1年間に「具合が悪いところがあるのに、費用がかかるという理由で医療機関に行かなかったことがある」と答えた人が31%、同じ理由で「薬を処方してもらわなかった」人も12%いた。

これを収入と保有資産の多寡によって3つの階層に分けてみると、高所得・高資産層(年間世帯収入800万円以上、かつ純金融資産2000万円以上)で「医療機関に行かなかった」のは18%、「薬を処方してもらわなかった」のは2%にとどまるのに対し、低所得・低資産層(年間世帯収入・純金融資産とも300万円未満)ではそれぞれ39%と16%を占めた。

医療サービスは所得の動向に応じて増減をさせにくい支出項目のひとつとされる。しかし、現実には経済的な事情に左右され、低所得層を中心に重い負担となっており、享受できるサービスに少なからぬ格差が生じていることがうかがえる。

なお、総務省「家計調査」から、「保健医療」への支出額を世帯(2人以上)の収入別に見ると、最も収入の少ない第�五分位階級(年間収入350万円以下)と最も収入の多い第�五分位階級(同869万円以上)の格差は07年(速報値)で2.57倍となっている。

(『東洋経済 統計月報』編集部)

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