「10年ぶりの恋人」と結婚するまでのリアル 知的な正統派美人が、瀬戸際の決断

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インタビューで1時間半ほど佐和さんと向かい合った筆者の感想としては、この第2条件をクリアする男性を探すのは、年収800万円以上の独身男性を見つけるのと同じぐらい難しい。筆者は仕事なので集中力を高めてなんとか会話を続けることができたが、それでもときどき佐和さんの高速トークに圧倒されてしまった。休日のお気楽モードだったら、佐和さんの発言の半分ぐらいしか頭に吸収できなかっただろうし、何か答えたときには彼女は別の話題に移っているだろう。

だからと言って楽しくないわけではない。自分の頭と口は回らなくても、あれこれ話してくれる佐和さんを眩しく感じるかもしれない。しかし、そのような男性を佐和さんは長らく避けてきたのだ。

自分の好みと相手のニーズの「ミスマッチ」

「ちょっと性格が弱めで、物静かな男性に好かれることは多かったですね。デートでも私に引っ張ってもらいたいようでした。でも、私は仕事柄しゃべることを鍛えられているだけで、男性を引っ張りたい願望はないんです」

佐和さんのせいだけではないが、明らかなミスマッチである。佐和さんの「自分の見せ方」も間違っていたと言える。テンポよく会話できる男性は同じようなタイプの女性をパートナーとして求めているとは限らない。物静かで聞き上手だったり、おっとりしているけれどたまに愛のあるツッコミを入れてくれる女性に居心地の良さを覚えたりする。人材を評価して生かすことを業務にしている佐和さんだが、自分自身の姿は見えにくいのだと思う。

明るくきさくに見える佐和さんは「恋愛には真面目で慎重」という一面もある。自分を好きになってくれた人とはとりあえず付き合ってみるというモテ系の男女にありがちな軽さはない。

勤務先の人材サービス関連企業には佐和さんと同じぐらいコミュニケーション能力が高い男性社員も多い。しかし、仕事の出来不出来を目の当たりにしているため、つい「減点方式」で評価してしまうのだ。仕事ができる女性にはありがちな状況かもしれない。

「それでも30歳を過ぎるまでは余裕がありました。そんなに焦っているわけではないし、待っていればいい人が現れるだろうと思っていて、つい時間が経ってしまったんです」

32歳のとき急に焦りと好奇心を覚えて入会したのが、楽天オーネットだった。どうせ入るならば少しでも若いうちのほうが良く、紹介数が多い大手のほうが良いという判断である。プロフィール文は「2014年のサッカーワールドカップは旦那様になる人と一緒に観たい」。自分の趣味を紹介しつつ、お付き合いと結婚に前向きであることもアピールした。美しいプロフィール写真の効果もあって、サッカー好きの男性会員からアプローチが殺到したようだ。

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