安倍政権誕生で不動産市場はどうなる?

大半の物件は下落圧力が高まるだけ

12月16日に行われた衆議院議員選挙は、自民党の圧勝に終わった。近く誕生する安倍政権の思い切った財政・金融政策を予想して、金融市場は「円安」「株高」に動いている。こうしたマネーの動きに連動しそうなのが不動産だ。今後の不動産市場はどうなるのか。ホームインスペクション(住宅診断)を専門とするさくら事務所の代表で、不動産コンサルタントの長嶋修氏は、「大半の物件には下落圧力がかかる」と指摘する。

 

ながしま・おさむ
1967年生まれ。不動産コンサルタント、さくら事務所代表。広告代理店を経て、1994年ポラスグループ(中央住宅)入社。99年業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、株式会社さくら事務所を設立。マイホーム購入・不動産投資など、不動産購入ノウハウにとどまらず、業界・政策提言や社会問題全般にも言及するなどの活動を展開。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。

安倍晋三・自民党総裁は、「緊急経済対策を策定し大型補正予算を編成」するとともに「2パーセントの物価目標達成に向け、来年4月の日銀総裁人事については、物価目標に賛成者を人選」などを行うことを打ち出しました。

10兆円規模と想定される補正予算は1月中に国会提出される見込みで、物価目標を達成するための具体的な金融緩和はすぐにでも着手。遅くとも4月総裁人事で本格化するとともに、安倍総裁は、経済財政諮問会議を復活させ日銀総裁にも出席を求めるほか、日銀法改正にも言及しています。

思い切った財政・金融政策が採られれば、不動産市場にもマネーが流れ込み、資産価格の上昇(インフレ)に向かう可能性が高まっています。

インフレ時には金や不動産など実物資産の価値が増加し、実物以外の金融資産の信認が低下します。不動産市場は、選挙以前から、東京都心部でオフィス空室率の悪化に底入れの兆しが見えていたほか、シンガポール政府系や米大手が上場時の物件取得額2000億円規模の上場を予定しているなど、マネー流入の具体的な動きも出ています。

価格上昇する物件は一部に限られる

REIT(不動産投資信託)やファンド市場、またそれらに連動しそうな前述した不動産などは、受け入れ体制が整っているといえるでしょう。ただし、上昇する可能性があるのは、上記のような一部に限られそうです。

具体的には「REIT」や「ファンド」、またそれに連動するような立地や種別の物件、たとえば都心のなかでも駅近の優良立地などに建つマンション、高級住宅地などが考えられます。それ以外の、たとえば大半の住宅市場などについては、むしろ下落圧力がかかると見ています。

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