フォッシルが狙う「Apple Watch後」の市場 ディーゼルのスマートウォッチが今秋発売!?

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――一般的なファッション系のクォーツウォッチに、ウエアラブル活動量計を組み込みつつ、ある程度の通知機能や時刻自動合わせなど、スマートフォン連動を組み込むということですね。どのぐらいの数のブランドから、いつごろ発売されるのでしょうか。

今年の後半……具体的には9月以降に発売になります。発売時にはフォッシルブランドだけでなく、われわれが関係しているありとあらゆるブランドから発売されます。

◇  ◇  ◇

Apple Watchが発売されたときに驚いたのは、想像以上に時計としての作りがよかったことだ。モクシー氏が語っているように、既存の時計は心臓部であるムーブメントを複数ブランドで共有しながら、しかしデザインやケースの仕上げ、バンドの作りなどで差異化している。

多くのスマートウォッチは、そうした時計メーカーならではの作りを無視したものだったが、Apple Watchは純粋な電子機器メーカーでありながら、時計としての価値を見出せる作りとなっていた。

バンドだけでデザインが完成するわけではない

しかし一方で、Apple Watchのようにディスプレーとコンピュータを用いたリッチな表現力やインタラクティビティが必要かといえば、そこには疑問が出てくる。スマートウォッチに表示される情報は、すべてスマートフォンのアプリが捕捉しているものだからだ。それならば重要な通知のみを行い、あとはスマートフォンを取り出せばいいということになる。

加えて電子機器の画一化されたデザインやメカニズムは、ファッションアイテムとしての時計となじまないのも確かだろう。アップルはバンドの種類を増やしているが、バンドだけでデザインが完成するわけではない。

まだ結論を出すには早いが、フォッシルが力を入れる“ハイブリッド”なスマートウォッチの登場は近い。はたしてこれが最適解なのか。まずは今年の年末商戦に注目しよう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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