逮捕20回超、83歳「盗み続ける老婆」の頭の中

家族にも資産にも十分恵まれているのに

83歳の老婆はなぜ、盗みを繰り返してしまうのだろうか(写真 :hhasuda / PIXTA)

3月18日、午後2時すぎ。東京・上野駅のイベントスペースは物産展でにぎわっていた。商品を見て回る大勢の人たち。しかし、老婆の関心はむしろ人々の持ち物にあったようだ。

1人の高齢女性に目をつける。手提げバッグから財布がのぞいている。老婆は、身につけていたストールを右手に巻いて周囲からの目隠しにすると、女性のバッグに手を突っ込んだ――。

警戒中の警察官に窃盗容疑で現行犯逮捕された老婆は、「デパ地下のさと婆」の異名を持つ伝説的スリ師だった。昭和7年生まれの83歳。スリ師としてキャリア65年超のベテランで、デパ地下の食品売り場を縄張りにしていたようだ。前科18犯、この日は、約4年ぶりの逮捕で、その回数は24回目ともいわれている。

おカネがないわけではないのに、なぜ…

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

「さと婆」の初公判が6月2日、東京地裁で開かれた。問われたのは常習累犯窃盗罪。窃盗や窃盗未遂で、過去10年間に3回以上の懲役を受けた後、同じ罪を犯すと成立する。さと婆は、2006年、2009年、2012年に窃盗、窃盗未遂で実刑判決を受けていた。

この日のさと婆は、グレーの上衣に、黒のスウェット姿で出廷。髪の毛は茶色ががっており、どことなく昔流行った「モンチッチ」を思わせる。足が悪いのか、ペンギンのように手を広げ、ドタドタと音をたてながら証言台に向かうと、起訴状の内容に「間違いありません」と答えた。

何度も盗みを繰り返す人の中には、身寄りがなかったり、生活に困窮していたりする場合がある。しかし、さと婆は違う。現在は息子夫婦、孫2人との5人暮らし。中野区にアパートを所有しており、月20万円ほどの家賃収入があるという。

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