スマホに復活する「タイムマシン経営」 回れ回れインターネットゴーラウンド

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Bejeweled(01年)、ZOO KEEPER(02年)、Ani Pang(12年7月)、LINE POP(12年11月)。細かな仕様は違えど、ほぼ同じシステムのゲームが、10年余、端末を換え、ヒットを繰り返している。ただ、それぞれ、プレーしている人の層は同じではない。スマートフォンとソーシャルプラットフォームの普及が、ゲームが届く人の規模と範囲を劇的に広げている。

スマホ普及数、ゲーム機をはるかに超える

AndroidやiPhoneといったスマートフォンにはゲームアプリが充実している。特に「ライトゲーム」と呼ばれる、ゲーム初心者でも遊びやすいパズルなどが好まれる傾向があり、スマートフォンで初めて本格的にゲームにハマったという人も少なくないだろう。

スマホの普及数は、ゲーム専用機を大きく上回る。たとえば、ファミリーコンピュータの累計出荷台数は約6300万台、ニンテンドーDSは1億5000万台、PS2は1億5000万台。一方、Android端末は今年9月までの出荷数が6億4900万台、iPhoneは5億2700万台(米IHS iSuppli調査より)で、合わせると世界10億台以上が普及しており、DSやPS2も遠く及ばない。「Bejeweled」「ZOO KEEPER」が出た当時、PC向けゲームサイトで遊んでいた人を合計しても、10億には届かないだろう。

プレー人口の上限は、ハード普及数の上限とほぼイコールだ。スマホの「10億台以上」は、これまでのゲームの常識を覆す裾野の広さ。しかも、今後も伸び続けることが確実だ。

スマホ×毎日使うコミュニケーションアプリ

とはいえ、スマホユーザー全員がゲームをプレーするわけではない。通話やメール(SMS)、Webブラウジングはするけど、ゲームはほとんど利用しない――そんなスマホユーザーも少なくないだろう。

LINE POPの強さは、スマホユーザーの多くが利用中(日本国内3700万ユーザー、世界合計8500万ユーザー)の「LINE」という通話&メッセージアプリと結びついて提供されたことだ。普段はゲームで遊ぶ習慣のない人も、「毎日使っているツールと結びついているから」、そして何より、「LINEで連絡を取るような友達が遊んでいるから」遊び始め、ハマった人も多かったはずだ。

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