医学部合格110名、巣鴨はゆとりの真逆を行く 巣鴨学園 堀内不二夫校長に聞く

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「巣鴨に来たからにはやれる」徹底した面倒見教育

「巣鴨に来たからにはやれる」、そういえるように徹底した面倒見を心掛けています。学習面でも「口うるさい」と感じるほど、きっちり面倒を見ます。ですから、中学の3年間は塾に行く必要はありません。うちでしっかり勉強していれば、その先に控える大学受験への基礎体力作りは万全ですから。

日常生活でも細やかな指導をしています。忘れ物をしたら呼び出しますし、問題があれば「ゼロ限」と称して朝早くから登校させて特別指導も行います。もちろん、学業に関係のない、マンガや携帯ゲーム機は一切禁止。携帯電話も、原則として禁じています。校門で行う「一斉持ち物検査」も生徒に予告したうえで、学期に1~2回あります。規律という面ではうちは厳格でしょうね。

確かに、校庭を歩いていると生徒たちの規律ある振る舞いに気づかされる。白一色の体操服も、皆きちんとシャツをズボンに入れて着用しており、着帽もしている。だらしなく着崩している生徒は一人もいない。
始業時には、学生服の着用が義務だという。前回話を聞いた麻布学園とは一風違った光景に「ここまで学校の雰囲気は違うものなのか」と驚かされた。

難関大学に入るシンプルな方法

――こうした徹底した面倒見主義が高い合格実績につながっているのでしょうか。

確かにそうかもしれませんが、大学受験の成績を第一目標にしているわけではありません。そもそも私は上位校とされる大学に合格することは「難関」だとは思っていません。なぜなら、東大の1学年が3000人、慶応で6000人、早稲田で1万人。これだけで約2万人にも上ります。その他の国立大学や上位私学、補欠合格者まで合わせれば、その数はさらに膨れ上がります。

有名大学の門戸はこれほどまでに開かれている。これはもう「やりさえすれば」、合格できるということです。ということはその結果を左右するのは1つ、単純に「努力の量」です。中学受験をクリアして、入学してきた生徒達ですから、基本的な能力には、大きな差はないと思っています。ですから、「努力の量」次第で巣鴨生ならどこの大学にも合格する可能性があると思っています。にもかかわらず大学の合格を中高6年間という人格形成において重要な時期の絶対目標に据えるのは間違っているでしょう。

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