IoTで進化する
オムニチャネル・リテイリングの
最新トレンド
主催:東洋経済新報社
特別協賛:日本マイクロソフト
パートナー協賛:トレジャーデータ
キーノートスピーチ
リテールビジネスにおける
デジタル・イノベーション
ボストン・コンサルティング・グループの井上潤吾氏は、デジタル化に伴う消費者の購買行動の変化と、それに追随した新サービス出現の状況を分析。「商品・サービスを提供する側は、従来型のマーケティングとは異なるデジタル戦略が必要」と述べ、戦略立案時に検討すべき三つの論点を説明した。一つ目はデジタル戦略の定義。ニーズの変化などのマクロトレンドを踏まえ、強みのあるブランドといった戦略ドライバーを策定し、それに基づき、新規顧客獲得、ブランド力・ロイヤルティ強化などの目的を決めて、達成のための戦略を検討する。二つ目は進め方。デジタル戦略の取り組みには少なくとも2~3年かかるため、息切れしないようクイックヒット(小さな成功)を積み重ね、道中にマイルストーンを設定しながら進める。三つ目はデジタル戦略を担うチームの組織体制。中央集権型や、各組織にデジタル能力を埋め込むビルトイン型、デジタル部門を独立させるスタンドアローン型などから、自社組織の特徴や取り組みに合ったタイプを選択する。井上氏は「今後もデジタル化はますます進む。目的をしっかり設定し、体制を考えて欲しい」と訴えた。
特別講演
流通業に向けたマイクロソフトの取組と
最新事例のご紹介
マイクロソフトの藤井創一氏はオムニチャネル時代の流通業について「パーソナルかつシームレスに差別化された商品・サービスを提供する取り組みを迅速に展開する必要があります」と指摘した。機械学習を活用することでオムニチャネルでの顧客情報と売上情報を連携させてレコメンデーションを個別化したり、店内センサーで取得したデータから混雑状況を予測し、最適な人員配置を決定するなど、顧客体験向上と高生産性を実現できるとした。また米国ロウズで試用されているヘッドマウント型デバイスHoloLensによるAR(拡張現実)技術を使った訪問販売を例に、最新テクノロジーによる新たな顧客接点の開発可能性も説明した。マイクロソフトは、モバイルデバイスからクラウドまで包括的なIT基盤を提供できるとし、特にクラウドAzureは、コンピューティングやストレージ、ネットワークなどの基本的な機能に加えて、たとえばデータを収集・可視化し、予測・分析する人工知能(AI)までコンポーネントがそろっているのが特徴で、安価かつ迅速にソリューションを構築することができる。藤井氏は「新しいテクノロジーを活用したチャレンジは始まっています」と取り組みを促した。