過去最多1504人競う「ドタバタ選挙」の舞台裏

党首演説からは見えない候補者の等身大の姿

民主党の政権維持か、自由民主党の政権復帰か、はたまた第三極の台頭か──。12月16日の投開票日に向けて衆議院総選挙が折り返し地点を通過した。衆院選は2009年8月以来。前回は民主が308議席を獲得して圧勝、歴史的な政権交代を果たした。民主にとって今回は政権与党として臨む初の衆院選であり、真価が問われる。小選挙区300、比例代表180(全国11ブロック)の計480議席を懸けて、過去最多となる1504人が師走の街で舌戦を繰り広げている。

「引退したほうがいい」との声

政権交代の期待感が消え、逆風下での戦いとなっているのが民主だ。大物政治家も例外ではない。

「原発の電気を使いたいか。原発以外の電気を使いたいか。皆さんに選択していただきたい」

中選挙区時代から11期連続当選を目指す前首相の菅直人氏(66)=東京18区=は11月27日夜、公示日前にもかかわらず、東京都府中市のJR・京王線分倍河原駅前で声を張り上げていた。「原発ゼロ」の文字が書かれたビールケースに立ち、夕方5時過ぎから約1時間半、環太平洋経済連携協定(TPP)問題などにはいっさい触れず、原発問題のみをひたすら訴えた。

一部の聴衆から「原発ゼロだと料金が上がるのではないか」との質問が飛び出たが、菅氏は「一時的に上がるかもしれないが、長期的には原発を維持するほうが高くなる」と説明。駅前に集まった100人弱の聴衆からは野次もなく、菅氏が街頭演説を終えると大きな拍手が湧き起こり、握手攻めにあった。

菅氏は「市民運動の原点に立ち返って選挙を戦う。首相のときに直面した原発事故が私の宿題。少なくとも足を止めてくれる人は原発ゼロに賛成のはずだ」と意気軒昂だ。

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