日経平均は6日ぶり反落、一時300円超安に 円高を嫌気、1万7000円を割り込む

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 6月1日、東京株式市場で日経平均は6日ぶりの反落となった。連騰後の反動で序盤から売りが優勢の展開。写真は都内で昨年10月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は6日ぶりの反落となった。連騰後の反動で序盤から売りが優勢の展開。その後こう着した時間帯が続いたが、後場に円相場が強含んだことで軟化した。下げ幅は前日比で一時300円超。終値は3営業日ぶりに1万7000円を下回った。

前日まで5連騰の日経平均は、朝方の売り一巡後は下値の堅さもみられた。取引時間中に財新/マークイットが発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2で、前月の49.4から低下。市場予想の49.3も下回ったが、株式市場への影響は限定的だった。

ただ「前日には米利上げに合わせて、日銀が追加緩和に動くという観測が流れていた。為替がより円安方向に進むとの見方と、英国のEU(欧州連合)離脱問題に対する楽観的な見方を修正する動きが出ている」(アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン取締役の寺尾和之氏)との声も聞かれた。

こうした中、1ドル110円台後半で推移していたドル/円が後場に109円台後半まで急落。「OPEC(石油輸出国機構)総会などのイベントを前に、CTA(商品投資顧問業者)が売り仕掛けに動いたようだ。薄商いの中じり高が続いていたため、下方向に仕掛けやすかったのだろう」(国内証券トレーダー)との見方が出ている。

東証33業種全てが下落。水産・農林や鉄鋼、電気・ガスの下げが目立っている。

個別銘柄では日本航空電子工業<6807.T>が大幅高。NEC<6701.T>が31日、航空電子株をTOB(公開買い付け)で取得すると発表した。TOB価格は1株1920円。時価を大きく上回るTOB価格を意識した買いが入った。また、LINE(東京都渋谷区)が東証に上場する見通しとなったことから、ネオス<3627.T>、メディアドゥ<3678.T>など関連銘柄が上昇した。

東証1部騰落数は、値上がり473銘柄に対し、値下がりが1350銘柄、変わらずが132銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      16955.73 -279.25

寄り付き    17097.22

安値/高値   16908.92─17145.95

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1362.07 -17.73

寄り付き     1369.96

安値/高値    1358.05─1374.37

 

東証出来高(万株)199528

東証売買代金(億円) 21154.69

 

 

(長田善行)

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