いったいなぜ、日本には戦車が必要なのか? そこには4つのワケがある

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なぜ、日本に戦車が必要なのでしょうか?

昭和43(1968)年10 月、私は富士駐屯地の戦車教導隊に配属されました。23 歳の見習幹部でした。これが私と戦車との付き合いのはじまりです。私は同年3 月に防衛大学校を卒業、福岡県久留米市の陸上自衛隊幹部候補生学校で半年間の教育を受け、卒業直前に「機甲科」職種に指定され、母隊となった戦車教導隊に赴任しました。

以来、富士学校機甲科部で戦車小隊長、戦車中隊長の教育を受け、部隊・陸幕などの勤務を経て、第2 戦車大隊長(第2 師団)、第71 戦車連隊長(第7 師団)の指揮官職に就きました。この間タッチした戦車は、米軍供与のM4A3E8戦車、国産の61式、74式、90式戦車でした。10式戦車を除く陸上自衛隊のほとんどの戦車と行動を共にしたことになります。

最近では、軍事史研究に専念し、講演活動なども行っているのですが、次のような質問をよく受けます。

外国の軍隊から侵攻される可能性

――日本の国土が外国の軍隊から直接侵攻される可能性はありますか?

いや、見通せる将来では、本土への直接侵攻はないと思います。ただし、現下の情勢では離島への侵攻は否定できません。

――ということは、離島を除く日本の本土で、外国の軍隊と地上戦を交えることはない、ということですね。

はい、そのとおりです。わが国の本土での地上戦の可能性はきわめて低い、と私は思います。

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