ルネサス、増資獲得でも不安だらけ

染み付いた”下請け体質”からの脱却がカギ

これで本当に改革は進むのか――。

ルネサスエレクトロニクスは12月10日、官民投資ファンドの産業革新機構と国内企業8社から、第三者割当増資により1500億円を調達すると発表した。革新機構が1383億円を引き受け69%の大株主となる。革新機構は追加で500億円を上限とした資金提供も準備している。

さらにトヨタ自動車、日産自動車、ケーヒン、デンソー、キヤノン、ニコン、パナソニック、安川電機の国内企業8社が116億円を引き受けて、計5.8%を保有。これにより既存の大株主の日立製作所、三菱電機、NECの持ち株比率は、3社合計で22.8%まで低下する。

投資の具体的時期には触れずじまい

かねてからくすぶってきた問題にようやく一息ついた格好だが、今回のルネサスの支援策には、批判が多い。10日に開かれた記者会見の場で、ルネサスの赤尾泰社長はプレゼンテーション資料を淡々と読み上げ、今回の調達資金1500億円については、マイコンや半導体(自動車や産業向け)の投資に充てると説明したものの、具体的な時期には触れずじまいだった。

その発表資料には「一時的に、調達した資金を運転資金に充当する可能性があります。(中略)最終的には上記資金使途に支出致します」というただし書きが付いている。しかし、言い換えれば、いつになったら成長に向けて投資が行われるのかが見えない。

赤字の元凶とされるSoC(システムLSI)事業についても、「採算性の良くない製品は撤退するなど、整理が付いている。個別製品をどうするかは革新機構と協議していく」(赤尾社長)との説明だ。本当にスピードを持って改革する気があるのか疑いたくなる。

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