信頼関係を築くための3つの王道

誰よりも働き、謙虚に。でも、言うべきことは言う。

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリア ルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
来年の大河ドラマをイメージしたラッピングバス。東京や仙台を往復している。

 修羅場とは、能力以上のことに挑戦する状況

私には空手をやっている有段者の友人がいます。先日彼がケガをしていて、心配して尋ねたところ、ストリートファイトで無手勝流の猛者にこっぴどくやられたそうです。「寸止めの空手には限界があった」とのこと。

知人に趣味で筋トレをやっている人がいます。すごい筋肉美なのですが、この間一緒に引っ越し作業をしていたら、私より非力で驚きました。「鍛える筋肉が違う」そうです。

私は、ビジネスにおいて実践こそがその人の成長を加速するものだと思っています。もちろん型は大事ですが、社会に出たら学生時代のような「お勉強モード」では限界があります。中でも最も効果のある場は「修羅場」だと、私は確信しています。

「修羅場」というと、どこかぎょっとする響きがありますが、要は自分の能力以上のことに挑戦する状況のことで、何も特別なことではありません。

3.11という修羅場

私は英語を大して話せませんが、コンサル時代に外国人のお客様への重要な報告会で、頼り切っていた上司が不在のため、結果的に外国人経営メンバーの前で一人でのプレゼンとディスカッションを余儀なくされたことがありました。今思っても、あのときの英語耳はすごかった。すべての前置詞を聞き取れました。

とてもちっぽけな経験ですが、当時の私にとってはものすごい修羅場でした。

あるいは昨年の3月。あのとき私は福島にいました。

震災翌日の12日以降、避難指示区域が自分のいる場所に向けて少しずつ広がってくる何ともいえないじりじりした気持ち、宿泊先の集合浴場の大型テレビで観た原発の水素爆発、そして宿泊先の朝食メニューが少しずつ貧相になっていき、さらには燃料不足でクリーニングもできず、お湯も沸かせないと通告されたときのざわざわした感じ。

会社に行けば、じわじわと資金が枯渇していく恐怖、バスを走らせるための燃料の供給が途絶え、社内のタンクから燃料が日々減っていく、しびれるような感覚。これは今でもすぐに想起できる、私の人生でも遭遇したことがない場面でしたが、自分の中での修羅場感覚はどちらの例もそれほど変わりません。

中身はどうあれ、自分の身の丈以上に挑戦する状況はいろいろなところに転がっているものです。

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